JST(独立行政法人科学技術振興機構)が公募したA-STEP復興促進プログラムに、
本校から3件、採択されました。
このプログラムは、JST復興促進センターが、「産学官連携による東北発科学技術イノベーション創出プロジェクト」の一環として、既存プログラム 研究成果展開事業「研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)」のフィージビリティスタディ(FS)ステージの「探索タイプ」と「シーズ顕在化タイプ」のしくみを利用して、被災地域の企業ニーズを踏まえたシーズの実用化可能性検証を行うものです。
JST(科学技術振興機構)から、本年度より開始した事業「復興促進プログラム(マッチング促進)」(以下、マッチング促進)および「復興促進プログラム(A-STEP)」(以下、復興A-STEP)に関わる新規課題採択の決定がありました。これによりJSTは、東日本大震災による被災地の復興に向け、具体的な支援を本格的に開始します。

JSTは、被災地が震災から復旧するだけではなく、科学技術を利用して大きく発展することを後押しするため、本年4月にJST復興促進センターを立ち上げ(盛岡・仙台・郡山の3箇所に事務所を設置)、被災地の企業と大学などのマッチングや、企業ニーズの掘り起しなどの活動を推進してきました。
復興A-STEPは、被災地が抱える復興に向けた課題を踏まえ、これらに対応でき得る大学などの研究開発を広く公募し、被災地の復興に資する技術シーズの育成強化をはかるとともに、成果の実用化可能性の検証などを行うものです。
被災地域の産業基盤や被災状況はさまざまであることから、地域によって特徴的なニーズが存在しており、本プログラムにおける採択課題にもそのようなニーズが的確に反映されています。
被災した企業には、これまで産学共同研究になじみのなかった中小企業なども多くありますが、被災地のさまざまなニーズも踏まえつつ「マッチングプランナー」が現場で研究計画策定からきめ細かくアドバイスを行い強力にバックアップすることにより、スムーズに研究開発が進展し、早期実用化が実現することが期待されます。
今回復興A-STEPの採択総数は345件、高専26件、その中で本校から採択されたのは下記の3件です。
電子制御工学科 早川 恭弘 教授
「被災高齢者の安心安全を実現する多機能マットシステムの開発と応用」
物質化学工学科 中村 秀美 教授
「外部循環式気泡塔を用いたエノキタケ菌糸体の液体大量培養と培養条件の動的制御によるストレス作用を利用した有用物質生産 」
物質化学工学科 宇田 亮子 准教授
「クラウン化トリフェニルメタン誘導体によるセシウムイオンの分離と検出」
※A-STEPは大学・公的研究機関等(以下、「大学等」という。下記(注)参照)で生まれた研究成果を基にした実用化を目指すための幅広い研究開発フェーズを対象とした技術移転支援制度です。
(注)「大学等」とは、国公私立大学、高等専門学校、国立試験研究機関、公立試験研究機関、研究開発を行っている特殊法人、独立行政法人、公益法人等をいいます。
大学等における研究成果の中から技術移転の可能性を探索するフェーズや、シー ズ候補を企業の視点から掘り起こして、シーズとしての可能性を検証して顕在化させるといった実用化に向けたフェーズの初期段階から、顕在化したシーズの実 用性を検証する中期のフェーズ、また、研究成果を基にしたベンチャー起業により実用化をめざすフェーズ、さらには製品化に向けて実証試験を行うために企業 主体で企業化開発を実施する後期のフェーズまで、それぞれの研究開発フェーズの特性に応じた複数の支援タイプにより実施しており、フィージビリティスタ ディ(以下、「FS」という。)ステージ、及び本格研究開発ステージの2つのステージから構成されています。