奈良高専では、今年度も出前授業を実施しています。これは、児童生徒の理科離れが進む現状の改善を図るため、平成16年1月に奈良県大和郡山市と学市連携協定が結ばれ、創造性や科学的な考え方を育むことを目的に、小中学校からの依頼により、奈良高専が出前授業として実施しているものです。
去る12月7日には、大和郡山市立郡山北小学校において、小学六年生を対象に、物理担当の榊原教授、武内准教授、そして稲田准教授による「超低温の世界を探る」と題した授業を実施しました。

マイナス196度の液体窒素を満たしたガラスの円筒に様々なものを浸け、物体の状態が変化する様子を観察する実験では、柔らかいバナナを液体窒素で凍結させ釘を打ったり、花を凍結させることにより植物が硬くてもろくなることを観察しました。
液体窒素に実際に触れてみる実験では、児童たちは恐る恐るビーカーに指を入れ、短時間であれば触れても安全であることを自ら体験しました。液体窒素が早い勢いで床の上を滑るように動く様子を観察する実験や、液体窒素の中に超伝導体を入れてその上に重い磁石を載せると磁石が宙に浮いて回転するリニアモーターカーの原理の実験も行われ、児童らはふだん目にすることのない現象が起きるたびに大きな歓声をあげていました。

科学の世界における実験の重要性や意義を学ぶことを目的に行われた授業を通して、児童たちは、科学の不思議、そしておもしろさを学びました。