本校では、2019年度より女性エンジニアリーダーの育成を主な目的とした「しなやかエンジニア教育プログラム」をスタートさせます。本教育プログラムでは、新しい価値を持ったモノを作り出すことができる「豊かな感性・表現力」を備えたエンジニアの育成を目的としています。正課で実施される工学教育に加え、正課外教育として異分野の知識、経験を通じ、自身の感性や表現力を磨くカリキュラムを実施いたします。
来年度の本格実施に先立ち、本年度は試行プログラムとして、奈良女子大学、奈良教育大学と合同で「藍染ワークショップ」を実施いたしました。本ワークショップには、奈良女子大学 4名、奈良教育大学 3名、そして本校から11名の計18名が参加し、「各高専・大学を訪問した外国からのお客様に渡す奈良を表現した土産物の作製」を課題テーマとした問題解決型学習を体験しました。藍染に関する講義の聴講と藍染制作実習を通じた異分野の体験により、日本の伝統文化に対する興味の涵養や、多視点で物事を考えられるしなやかな発想力の養成をめざしました。
まず、7月16日に武庫川女子大学 生活環境学部 生活環境学科 牛田智先生より「藍染の科学と歴史」についての講義をしていただきました。講義の中では、染色にまつわる歴史、そして藍草の発酵技術や藍染の方法などの実験を交えながら説明いただきました。その後、9月25日(火)~27日(木)の3日間にわたり、藍染の製作実習を行いました。実習では、奈良芸術短期大学 染色コース 大谷千恵先生はじめ、安藤先生、舘先生、外村先生のご指導のもと、6名のチームに分かれて、藍染の技法の1つである蠟(ろう)技法を用いて、幅40cm、高さ180cmのタペストリーの制作に取り組みました。1日目はデザイン制作と藍建て、2日目は蠟描き、3日目は染色、脱蠟を実体験し、チームそれぞれの奈良への思いを表現したタペストリーが仕上がりました。3日目の最後に、チームごとにデザインコンセプトと制作した作品を発表しました。各先生方からは、短期間のグループ作業で一つのデザインをまとめ上げたことに対する賛辞の講評を頂戴しました。デザインから藍建て、染色という全工程を経験して一つの作品をチームで作り上げた学生たちからは、今までにない貴重な経験を積むことができたという声が聞かれ、達成感に満ちた時となりました。

牛田先生による講義
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大谷先生によるデザイン指導
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安藤先生による蝋描き指導
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作品
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藍染ワークショップに際しましては、武庫川女子大学 牛田先生、並びに奈良芸術短期大学 大谷先生はじめ皆様に多大なご協力頂戴しましたことに感謝申し上げます。有難うございました。
なお、今回の藍染ワークショップは、9/26日付け奈良新聞朝刊に「藍染めで異分野の体験を通じしなやかな発想を養う」として掲載されました。