社会貢献 出前授業 「磁石の不思議 君も磁石博士だ!」(平成29年2月~3月 於 平和小・治道小・筒井小・矢田小) 奈良高専では、今年度も出前授業を実施しています。これは、児童生徒の理科離れが進む現状の改善を図るため、平成16年1月に奈良県大和郡山市と学市連携協定が結ばれ、創造性や科学的な考え方を育むことを目的に、小中学校からの依頼により、奈良高専が出前授業として実施しているものです。 この2・3月には、下記小学校の小学3年生を対象に、電気工学科 藤田 直幸 教授・平井 誠 准教授・池田 陽紀 助教による「磁石の不思議 君も磁石博士だ!」と題した授業を行いました。 ・2月15日(水) 大和郡山市立平和小学校・2月17日(金) 大和郡山市立治道小学校・2月21日(火) 大和郡山市立筒井小学校・3月 1日(水) 大和郡山市立矢田小学校 この「磁石の不思議 君も磁石博士だ!」は、小学3年生で学ぶ磁石の学習のまとめと発展に利用してもらうために行っています。また、小学校の通常の授業では行わない様々な実験を通して子供たちに驚きを与え、磁石の開発の歴史に日本人が大きくかかわっていることも知ってもらい、「科学する」ことにチャレンジする心を養うことも目的にしています。 どの小学校でも生徒さんたちは、賑やかにかつ積極的に実験などに取り組んでくれました。初めて見る磁石の一面に興味津々の様子で、新たな実験を行う度に驚きの声があがっていました。 授業の流れは以下のとおりです。 どの小学校も、生徒さんたちは元気にあいさつしてくれました。授業は興味を持って参加してもらうため、クイズ形式で行われます。 まずは、スチール缶、アルミ缶、そして紙の箱の中で磁石にくっつくものを当ててもらいました。やはりスチール缶とアルミ缶で迷っている生徒さんが多かったです。 続いては、2つの磁石で、N極同士、S極同士、そしてN極とS極を近づけたけときに、くっつくのはどれかというものでした。これは、皆さんすぐに分かった様子でした。 磁石のN極の先にくっついたクリップのくっついていない側が何極になるかという問題です。この問題は答えるだけでなくなぜそうなったのかという理由も考えてもらいました。説明もとなると少し難しそうですが、何人かの生徒さんが分かりやすくその理由を説明してくれました。すばらしい! クイズではなく、磁石振り子(吊るされた磁石とその下の台の磁石の磁力を利用した振り子)で、台の上の磁石の配置を変えることによりどのグループが一番早く振り子を止めることができるかを競いました。皆さん、試行錯誤(工夫)しながら実際に試すこと(実験)を繰り返し、他のグループより少しでも早く止めようと競っていました。 競争の後、先生たちから、この「工夫」と「実験」を繰り返すということを普段の研究で行っていて、これにより発明や発見が生まれるとお話がありました。何度も根気強くこのローテーションを繰り返すことの大切さを知ってもらいました。 くっつかないはずのクリップに鉄球がひっつく手品!?実は机上の紙の下にリング状のフェライト磁石を隠していて、それから出る磁力を利用してクリップに磁気を持たせているというものでした。これについても、生徒さんたちになぜくっつくようになるのか考えてもらい、説明してもらいました。かなり難しい問題でしたが、皆さん、積極的に間違うことを恐れず考えを発表してくれました。また、生徒さんたちにも実際にクリップ・鉄球・磁石を使ってチャレンジしてもらい、どのグループが一番早く全員が浮かせることができるか競争してもらいました。 最も強力な磁石であるネオジム磁石についての実験です。この磁石同士をくっつけると、大人の力でも引き離すのは難しいです。また、2つのネオジム磁石の間に手を入れ磁石同士を近づけると、手を挟むことができるほど強力です。生徒さんたちにもネオジム磁石に触れてもらい、その強力な磁力を体験してもらいました。 ネオジム磁石同士を反発させて足場を浮かせた台に乗ってもらいました。生徒さんだけでなく、体の大きな先生が乗っても足場は浮いています。ネオジム磁石の磁力の強さに再び驚かされました。 磁石の歴史についても勉強しました。磁石の発明には多くの日本人が関わってきたことを学びました。ここで再び「ネオジム磁石を発明したのはどこの国の人か?」というクイズが出されました。答えはこれも日本人。磁石の発明に日本人が大きく貢献してきたことが分かりますね。 最後のクイズは、モーター・発電機・切符の中で磁石が使われているものはいくつあるかというものでした。(正解は3つとも。)クイズの後にはこの3つやスピーカーに磁石がどのように使われているのか説明がありました。身の周りで磁石が様々な用途で役立っていることを再認識させられました。 終わりのあいさつ。皆さん、元気にあいさつしてくれました。この授業で磁石に興味を持って、その発明に携わるような生徒さんが出てくれば嬉しいですね。