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出前授業 「貿易ゲームを通して世界の国々を知ろう」(平成30年12月12日 於 学科指導教室ASU)

奈良高専では、今年度も出前授業を実施しています。これは、児童生徒の理科離れが進む現状の改善を図るため、
平成16年1月に奈良県大和郡山市と学市連携協定が結ばれ、創造性や科学的な考え方を育むことを目的に、小中学
校からの依頼により、奈良高専が出前授業として実施しているものです。

平成30年12月12日(水)には、学科指導教室「ASU」において、一般教科 前田 哲宏 准教授による「貿易ゲームを
通して世界の国々を知ろう」と題した授業を行いました。


      (一般教科 前田 哲宏 准教授)

授業ではまず最初に貿易ゲームについて説明がありました。このゲームは英国のNGO クリスチャン・エイドによって
開発された世界の貿易を疑似体験するシミュレーションゲームです。
まず、最初にグループに分かれてもらい、各グループに道具(文房具)と紙とクリップが配られます。この中の道具と
紙を使って、指定された大きさ・形の図形を作ってもらい、これらをマーケットで販売してどれだけ多くのクリップを得る
ことができるかを競います。なお、グループが国、道具が技術力、紙が資源、できた図形が商品、クリップがお金を
表しています。

 
 

最初に配られる道具等の内容はグループによってバラバラです。これが国ごとの「格差」を表しています。

 
 

できた製品はマーケットで買い取ってもらうのですが、型によって値段が決まっています。さらに、その出来によっては、
その決められた値段より低くされてしまったり、最悪の場合は買い取ってもらえません。
今回、この役を見学で参加していた本校グローバル教育センター長 松井 良明 教授にも担当してもらいました。

製品作りを開始。道具、紙を十分に配られたグループから先に製品が作られ、マーケットに販売されていきます。
なお、最初に説明されたルール以外は特に制限はなく、何をしたら良いかなどの説明もありません。ですので、道具や
紙が少ないグループはクリップを獲得するために様々な行動をとることになります。
今回は、道具をお金を払って借りたり、紙を買い取ったりする様子などが見られました。

 
 
 
 
 

途中で、多く作られた製品の値段が下がったり、一部のグループに折り紙が配られ、それで折った折鶴が高額で買い
取ってもらえることになったりと、市場に変化が起こりました。
この中で、折り紙が配られたグループはその時点でクリップをあまり獲得できていないグループでした。これは、発展
途上国の生産品を適正な価格で取引するフェアトレードを体験してもらうためです。

 
 
 
 

作業時間が終了すると、各グループ、金額の計算を行いました。
今回は、最初の道具はあまりなかったものの、途中で折り紙を配られたグループが上位に来ました。フェアトレードが
有効活用された形です。

 
 
 

最後に、今回のまとめ。貿易ゲームは、現代のグローバル社会における貿易システムの問題点などを楽しみながら実感
できるものです。今回参加した生徒さんからも、「こんな風にゲームしながら勉強できるものがあるのを知って驚いた」
との感想をいただきました。
今回の出前授業が、国家間の格差がその国の人々にどのような影響を与えているのかなどグローバル社会の問題を考える
一助になると幸いです。

 
 
 

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