社会貢献 出前授業 「磁石の不思議 君も磁石博士だ!」(平成31年2月22日 於 生駒南第二小学校) 奈良高専では、児童生徒の理科離れが進む現状の改善を図るため、今年度も出前授業を実施しています。平成30年3月に、新たに生駒市と学市連携協定を締結し、今年度から、生駒市内でも協定に基づいた出前授業を行うことになりました。平成31年2月22日(金)には、生駒市立生駒南第二小学校において、電気工学科 藤田 直幸 教授、芦原 佑樹准教授、池田 陽紀 講師が「磁石の不思議 君も磁石博士だ!」と題した出前授業を行いました。 (電気工学科 藤田 直幸 教授) (電気工学科 芦原 佑樹 准教授) (電気工学科 池田 陽紀 講師) 授業は、楽しみながら学んでもらうため、クイズや実験をグループに分かれて実際にしてもらいながら進みました。また、各グループには本校の学生が補助として1名ずつ入りました。最初のクイズは、磁石に関する簡単なものをいくつか。これは、皆さん正解していました。 次のクイズから難易度が上がります。まずは磁石の先にくっついたクリップ(鉄)の先はどうなるかというもの。正解したグループの児童さんの一人がその変化の理由も完璧に答えてくれました。 磁石振り子(吊るされた磁石とその下の台の磁石の磁力を利用した振り子)をどのチームが一番早く停止させられるかを競うゲームをしました。磁石振り子は台の上の3つの磁石の配置によって、動きが変わります。各チーム、試行錯誤して磁石を配置した磁石振り子で競争を行いました。競争後には、藤田教授から試行錯誤(実験・工夫)から発明・発見が生まれるとお話がありました。 くっつかないはずのクリップに鉄球がひっつく手品を藤田教授が披露。タネは机上の紙の下にリング状のフェライト磁石を隠していて、それから出る磁力を利用してクリップに磁気を持たせているというものでした。これについても、児童さんたちになぜくっつくようになるのか考えてもらい、説明してもらいました。かなり難しい問題でしたが、皆さん、間違うことを恐れず自分たちの考えを積極的に発表してくれました。また、児童さんたちにも実際にクリップ・鉄球・磁石を使ってチャレンジしてもらい、どのグループが一番早く全員が浮かすことができるか競争してもらいました。 磁界観察器や磁界観察シートを使って、磁界を見てもらいました。 最も強力な磁石であるネオジム磁石についての実験です。この磁石同士をくっつけると、大人の力でも引き離すのは難しいです。小学校の先生でもくっついた磁石をまっすぐ引っ張って引き離すことはできませんでした。また、2つの小さなネオジム磁石の間に手を入れ磁石同士を近づけると、手を挟むことができるほど強力です。児童さんたちにもネオジム磁石に触れてもらい、その強力な磁力を体験してもらいました。 磁石の歴史についても勉強しました。磁石の発明には多くの日本人が関わってきたことが紹介された後、ここで「ネオジム磁石を発明したのはどこの国の人か?」というクイズが出されました。答えはこれも日本人。磁石の発明に日本人が大きく貢献してきたことが分かりました。 最後のクイズは、モーター・発電機・切符の中で磁石が使われているものはいくつあるかというものでした。答えは「3つとも」です。クイズの後にはこれらのものに磁石がどのように使われているのか説明がありました。身の周りで磁石が様々な用途で役立っていることを再認識させられました。 ネオジム磁石同士を反発させて足場を浮かせた台に乗ってもらいました。児童さんだけでなく、小学校の先生が乗っても足場は浮いています。ネオジム磁石の磁力の強さに改めて皆さん驚かれていました。 最後にこの日のまとめ。この授業で、一人でも多くの児童さんに、磁石の研究や高専に興味を持ってもらえると幸いです。また、終わりの挨拶も元気にしてくれました。