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平成29年度 地域社会技術特論

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≪前期 地域社会技術特論 専攻科1年生≫

奈良県が抱える重点課題を解決できるリーダーの人材育成のために、今年度から「TOMO地域創生マインド養成教育プログラム」が実施され、また、専攻科改組に伴うカリキュラム改訂が行われています。

専攻科1年生において、確かな工学知識による課題探究・解決能力を養うことを目的に、地域創生演習科目としての「前期 地域社会技術特論」が平成29年4月12日(水)より全15回に渡って進められています。

中間発表会や最終提案発表会には、地方公共団体・地域企業などをお招きして、コメントを頂く予定になっております。

                                            


 

≪前期 講義項目・内容(予定)≫

                 

週数 日程 講義内容
第  1週   4 /12 ガイダンス、マインドマップの概要説明、下市町の事前調査
学外研修   4 /14 現地調査
第  2週   4 /19 現地調査から見えてきた問題点をチーム内で議論し、問題分析実施
第  3週   4 /26 問題分析から、課題設定実施
第  4週   5 /10 課題から解決策の候補を検討
第  5週   5 /17 中間発表会の準備1
第  6週   5 /24 中間発表会の準備2
第  7週   5 /31 中間発表会
第  8週   6 /  7 問題解決演習1(課題解決策の絞り込み)
第  9週   6 /14 問題解決演習2
第10週   6 /21 最終提案発表会準備1
第11週   6 /28 最終提案発表会準備2
第12週   7 /  5 最終提案発表会準備3
第13週   7 /12 最終成果発表会
第14週   7 /19 個人による授業の振り返りとまとめ
第15週   7 /26 期末試験と授業のまとめ

 

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「地域社会技術特論」受講生が奈良女子大の「コミュニティ・リサーチ」の学外実習に参加(2017年5月31日掲載)

 


 

≪地域社会技術特論 3専攻共通 担当 藤田 直幸教授 ・ 谷口 幸典准教授 ・ 顯谷智也子COC+特任教授≫

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ガイダンス、マインドマップの概要説明、下市町の事前調査(2017年6月12日掲載)

本年度前期の専攻科1年の授業である『地域社会技術特論』では、地域創生演習科目として、地方創生に対して技術者が果たす役割とその重要性を理解することを目的として、課題発見、課題解決能力等を養う授業を実践しています。この授業では、実際に奈良県吉野郡下市町の「林業」・「農業」の各産業における問題に対し、技術者の立場から課題解決策の検討に取り組んでおります。

本授業の取り組みの一環として、4月14日に下市町を訪問し現地調査を実施しました。本調査では、下市町役場、並びに各産業の現場を訪問し、各現場での実際の作業内容を見せて頂くとともに、関係者各位より町や各産業が取り巻く環境、現在問題になっている現状などを直接聞くことで、学生たち自ら、地域が抱える解決すべき問題がどこにあるのかを発見する試みがなされました。

午前中は、林業の調査として、育林事業から木造建築の設計施工まで、「木」に関する様々な事業に取り組んでおられる吉野銘木製造販売株式会社様を訪問しました。

吉野銘木様では、伐採した樹木の加工現場や、乾燥・保管の現場を見せて頂き、実際の作業において苦労している点なども含め、ご説明頂き、学生からは活発な質疑応答がなされました。また、今回、無垢の檜や杉など吉野の木材を用いた住まいのショールームを見学させて頂き、学生たちは、無垢の材質の床や壁を体感することができました。

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午後からは、農業の調査として、ぶどう・梨・梅などの栽培から梅エキス等の加工品の製造・販売も手掛けられている菊井農園様を訪問しました。

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菊井農園様をはじめ、近隣の町の農家では、ここ数年、猪や鹿など鳥獣被害が深刻化しており、作物への被害状況の説明を受けました。現在の対策としては、現状の農地に入らせない電気柵などを設置しているものの十分ではなく、作物への被害はもとより、丹精込めて作った作物を荒らされることによる農家の方々の農業意欲の低下が懸念され、対策が急務な状況です。学生たちは被害の状況を目の当たりにし、現状の対策の問題点や猪の習性など多岐にわたる質問が学生からなされ、菊井農園様からの回答に熱心に耳を傾けていました。

最後に下市町役場を訪問し、役場の方々から現在下市町が抱える問題として、高齢化や鳥獣被害について説明がなされました。また、町の活性化の一環として、下市町には自治体や町の住民が運営しているゲストハウスが3件あり、今春オープンした「アプリコット」の管理人である秋谷様より、活性化の取り組みやゲストハウス施設に関する説明がなされました。

今回の現地での調査、体験を学校に持ち帰り、技術者の観点から下市町が抱える問題を抽出し、課題発見・課題解決につなげていくとともに、これらのワークを通じ、学生たちが社会との関わりの中で、課題設定能力・課題解決提案能力を身につけ、実践できるように講義を進めて参ります。

現地調査に際し、お忙しい中、ご協力いただきました下市町役場様、菊井農園様、吉野銘木様、秋谷様に感謝いたします。

 

 


 

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中間発表会 (2017年7月3日掲載) 

本年度前期の専攻科1年の授業である『地域社会技術特論』では、地域創生演習科目として、地方創生に対して技術者が果たす役割とその重要性を理解することを目的として、課題発見、課題解決能力等を養う授業を実践しています。この授業では、7つのチーム(5-6名/チーム)に分かれ、実際に奈良県吉野郡下市町の「林業」・「農業」の各産業における問題に対し、現地調査(4/14実施)等を通じ技術者の立場から課題解決策の検討に取り組んでおります。

平成29年5月31日(水)に、現時点までの取り組みの成果として中間発表会を行いました。当日は、下市町役場まちづくり推進課の皆様、並びに本授業の「林業」のテーマにおいてご協力頂いております吉野銘木 貝本様に本校までお越し頂き、学生の発表を直接ご覧頂きました。

またGoogleハングアウトによるネット配信で下市町役場と接続し、「農業」のテーマについてご協力頂いております菊井農園 菊井様にもご参加頂きました。
 

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(下市町役場とのネット接続)

中間発表では、下市町に関する事前調査や現地調査での気づきを踏まえ、「林業」の各チームは吉野銘木様の現場の様子や説明から節の位置や木材の保管方法などに着目し、また「農業」の各チームは、農家にとって近年非常に深刻化している鳥獣被害への対策や、農作物の最適な収穫時期の予測等への対策検討に取り組み、ロジックツリーやペイオフマトリックスなどの手法を用いて問題点を整理するとともに、課題設定や解決策の効果についての検討状況を纏め、発表しました。

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(発表)

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(発表)

各チームの発表に対しご出席頂いた皆様から率直なご意見、ご感想を頂戴し、また「林業」「農業」チームにそれぞれ分かれ、吉野銘木様、菊井農園様にも入って頂き、これまでの問題分析や解決策検討において見えてきた疑問点等について質疑応答を含め活発な討議がなされました。

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(下市町役場 丸森様)

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(吉野銘木 貝本様とのディスカッション)

今回の中間発表で頂戴した皆様からのご意見も踏まえ、今後5週にわたり更に具体的な課題解決策の検討を重ねて、7/12に最終報告会を予定しております。

 

 


 

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最終成果発表会

本年度前期の専攻科1年の授業である『地域社会技術特論』におきまして、7月12日(水)に今回の取り組みの最終成果発表会を執り行いました。

本授業では、奈良県吉野郡下市町の「林業」・「農業」の各産業における問題に対し、技術者の立場から課題解決策の検討に取り組み、中間発表(5/31開催)に引き続き、当日は、下市町役場まちづくり推進課の皆様、並びに本授業の「林業」のテーマにおいてご協力頂いております吉野銘木様に本校までお越し頂き、学生の発表を直接ご覧頂きました。またGoogleハングアウトによるネット配信で下市町役場と接続し、「農業」のテーマについてご協力頂いております菊井農園様にもご参加頂きました。

最終発表では、下市町の各企業様が抱える問題に対し、中間発表の際に頂戴したご意見も踏まえ、実現性、貢献度を考慮し、各チームより技術的な観点からの課題解決提案がなされました。

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(下市町役場とのネット接続)

「林業」の各チームは、木材の節が木材の価値に影響することに着目し木材の節の位置の特定方法や節のない木を育てるための枝打ちの方法や、また、木材の保管方法の問題点に着目しその保管の利便性を改善する具体的なラックシステムを考案するなど、多視点から林業の問題点を探り出し課題解決に取り組み、その成果を発表致しました。

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(林業チームの発表と、吉野銘木様から講評を頂戴している様子)

「農業」の各チームは、農家にとって近年非常に深刻化している鳥獣被害に対し、先行研究等を調査し実現性の高い対策として、ドローンを利用して鳥獣を追い払う手法や、臭いや光を利用して鳥獣を農地自体に寄せ付けない手法など、具体的な提案がなされました。また、鳥獣被害によって農作物の収穫量が減少していることに着目し、鳥獣被害に合う前に農作物を最適な時期に収穫する収穫時期予測システムを考案して発表し、ご出席頂いた皆様から率直なご意見、ご感想を頂戴しました。

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(農業チームの発表の様子)

本授業では、学生が現地調査等を通じ地域が抱える問題に関心をもち、地方創生に対して技術者が果たす役割と重要性を理解するとともに、複数名でチームを組んで課題解決に取り組むグループワークを通してコミュニケーション能力や合意形成力など養うことができ、非常に有益な授業となりました。
本授業に際しましては、下市町役場の皆様、並びに下市町の企業の皆様に多大なご協力頂戴しましたことに感謝申し上げます。有難うございました。

 

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