平成28年6月16日(木)本校1年生を対象に災害遭遇時、目の前の状況に対して適切に行動し、想定外の事態から自分自身を救う能力「防災リテラシー」を身につけるための講習が実施されました。会場となった第1体育館には各学科から約200名の学生が集まり、1グループ4~6名に分かれて「クロスロードゲーム」を行いました。
この取組みは、近畿地区7高専が協働で、国公私立の垣根を越えて、防災教育や防災技術、ドローンの技術的確立・レスキューロボット開発などの実践的な問題解決力に強みを持つ高専教育システムを結集し「防災」というキーワードにより連携したものです。
はじめに桐川副校長から挨拶があり、次に明石工業高等専門学校 太田特命教授から自己紹介があり、その後、クロスロードについての説明がなされました。
1995年に発生した兵庫県南部地震当時、神戸市職員だった太田特命教授はその経験を活かして実際に迫られた難しい状況判断を問題として学生に投げかけ、それぞれのグループから様々な意見が飛び交いました。自分とは異なる意見を「共感・共有」することや正解となる答えのないジレンマを体感して、学生は真剣な眼差しの中にも微笑ましい回答などもあり会場は賑わいました。
各グループでの話し合いの後、全体交流として代表者による意見発表が行われ、防災に対する意識が高まりました。太田特命教授の神戸市職員当時の実際に迫られた難しい状況判断の事例や解説を聞き、学生は自らの災害遭遇時だけでなく、色々な立場や状況を想定して意見交換を深め、グループの中でふりかえり感想を共有しました。
最後に、太田特命教授は「防災リテラシー」の授業を履修することにより、防災士資格の取得を目指すように学生に呼びかけるとともに、防災に関する技術者教育だけでなく、地域の防災リーダーとして、近隣住民や企業・自治体との連携を深め安全安心まちづくりへとつながればと述べられました。
「防災」という地域課題解決に取組み、災害に強い人づくり・地域づくりは地域の活力強化にもつながります。今後も各地区の高専生が安全安心まちづくりに中核的な存在として活躍することを目指して参ります。