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奈良高専 物質化学工学科 山田准教授が第5回FC-Cubicオープンシンポジウム にて発表

去る2021年8月20日、東京国際交流館において、第5回FC-CubicオープンシンポジウムがWebオンライン開催されました。
技術研究組合FC-Cubic主催(共催:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO))で2000人を超える参加者が報告されています。
経済産業省、文部科学省よりカーボンニュートラルに向けた水素関連政策の紹介があり、各研究機関より以下の取組について講演がありました。

① 世界の動向としてシミュレーション/モデルベース開発(MBD)の進化と開発適用動向の特集
② 課題共有2021としてNEDOプラットフォームにおけるシミュレーションの研究状況
③ 日本のアカデミアの実力紹介として高等専門学校「高専」の研究紹介。
  全国高専をポスターセッションとして紹介
④ 新型MIRAIの燃料電池の解析状況をアップデート
⑤ 産業界が保有する”燃料電池研究開発用Tool/Know How”の共有化について紹介

 

「KOSEN研究ネットワークと研究基盤整備状況について」

奈良高専 共通機器管理センター長 物質化学工学科 山田裕久准教授による研究発表

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独立行政法人国立高等専門学校機構は、GEAR 5.0(未来技術の社会実装教育の高度化)事業を実施しています。Gear5.0では全国の都道府県にある全国の高専を5つのブロックに分け、各ブロックに拠点校を配しています。中でも奈良高専はその中核拠点(防災・減災/エネルギー ユニット)として令和3年度より本事業に取り組んでいます。これまで各高専が育んできた地域密着型・課題解決型・社会実装型など従来型の高専としての役割を点として拠点連携により面展開していきます。オール国立高専、広範な企業、自治体、大学などとの連携体制という全国規模のスケールメリットを活かした社会実装を主眼とした研究開発とSociety5.0社会で活躍するための新たな人材育成モデルの構築を企業、自治体、大学などと幅広く連携しながら取り組んでいます。
奈良高専山田准教授はGEAR5.0(防災・減災/エネルギー)のユニットリーダーとして、燃料電池や二次電池の開発を進めています。

本シンポジウムでは”世界へ展開!KOSENの「ヒトづくり」と「コトづくり」”をメインテーマに谷口理事長のこれからのKOSENについての説明から始まり、現在、NEDO/燃料電池等利用の飛躍的拡大に向けた共通課題解決型産学官連携研究開発事業において、奈良高専・山田准教授、和歌山高専・綱島克彦教授、鶴岡高専・森永隆教授、豊橋技術科学大学・松田厚範教授という複数の高専・技科大の取り組みとこれからの連携について説明がなされました。その中で山田裕久准教授は、「KOSEN研究ネットワークと研究基盤整備状況について」/「PEFC用イオン液体含侵型Pt/MPC高活性・高耐久カソード触媒合成技術の研究開発」の2つのテーマについて発表し、大型設備機器の共用を全面に活用した燃料電池開発ネットワークの構築、推進への取組について説明をしました。

 

山田裕久准教授による取組紹介(その1:GEAR5.0)

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山田裕久准教授による取組紹介(その2::大型機器共用、阪奈ネットワーク)

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山田裕久准教授による取組紹介(その3:高容量二次電池開発ネットワーク)

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今回の講演では、国立高等専門学校が一丸として取り組んでいる「GEAR5.0」を通じた自身の研究分野に興味を持ってもらえるよう、特に大型設備機器の共用を全面に推進した研究体制を皆様に知っていただくことを重視しています。
燃料電池は、
①従来の一次(乾電池)・二次電池(充電式電池)とは異なり、燃料を電池に供給するため充電がいらず充電時間もかからない。
②燃料に水素を用いた場合、水のみが排出されるためクリーンな発電が可能といった特徴から、水素エネルギー社会の実現に向けて世界中で活発に研究されています。私たちの研究室では、燃料電池の性能向上を目指して、常温で液体の塩であるイオン液体を燃料電池触媒系に取り入れた新しい電極触媒の開発を行っています。 また、イオン液体を電解質とした過酷環境下でも作動可能な新しいリチウム電池も開発しています。
現在、国立高専機構では、未来技術の社会実装教育の高度化として「GEAR5.0」というプロジェクトを立ち上げ、高専が取り組んできた地域密着・課題解決・社会実装といった強みを活かしオール国立高専で取り組んでいます。その中で奈良高専は「防災・減災(エネルギー)」テーマの中心校となり、次世代エネルギーの開発を含めSociety5.0を牽引する技術開発に取り組んでいます。
今回の発表の後、参加者より活発な質疑応答がありました。ALL高専、技科大との連携による社会実装の取組が社会全般に認知され、Society5.0社会の実現に貢献することを願ってやみません。

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