奈良工業高等専門学校

産学官金連携・研究推進

Cooperation

HOME 産学官金連携・研究推進 教育 令和4年度地域創生理解科目「地域と世界の文化論」における特別講義

地域創生事業

令和4年度地域創生理解科目「地域と世界の文化論」における特別講義

 専攻科2年選択必修科目「地域と世界の文化論」(担当教員:松井 真希子 講師)では、グローバル化の進む現代で異文化と接した際にどのような態度を取ればよいのか、また、様々な地域の歴史と文化の理解を通じて、地域と世界を同時に見つめていくことの重要性について理解することを目的に開講しています。授業のテーマに応じて、外部の方を特別講師としてお招きし、オムニバス形式の講義を実施しています。

【奈良県立大学 窪田 暁 准教授による特別講義】

令和4年6月21日(火)、奈良県立大学 窪田 暁 准教授により、「グローバル化時代における異文化理解とは?-多民族化する日本と「○○文化」の葛藤-」と題して、特別講義を実施いただき、学生22名が受講しました。

20220621-4.jpgのサムネイル画像 20220621-5.jpgのサムネイル画像
20220621-6.jpgのサムネイル画像

 講義では、「文化」とはなにか?、他者を表す○○文化、○○文化が生まれる理由、変化する「文化」等、様々な観点から捉える「文化」について説明があり、身近な事例が紹介されたり、研究者や技術者を目指す学生に必要な視点が語られたりするなど、普段理系科目を多く履修する学生にも馴染みやすい講義を工夫してくださいました。

 講義の最後に語られた「変化することを恐れない」、「主体的に生きる」という点は、学生生活だけでなく、今後の職業観、人生観においても重要な点だと感じ、大切にして欲しいと思います。


【奈良市 総合政策部秘書広報課シティプロモーション係 係長 高松明弘 氏 特別講義】

 令和4年6月28日(火)奈良市秘書広報課 シティプロモーション係長 高松 明弘 氏より、「奈良の地域活性化『奈良をもっと楽しむために。』」と題して、特別講義を実施いただき、専攻科学生22名が受講しました。

20220628-1.jpg 20220628-2.jpg
20220628-3.jpg 20220628-4.jpg

 講義では、講師の経歴と現在の職業を選択した理由、奈良市の現状と未来、地域活性化とはどのようなことか、地域を魅力あるまちにするために何が必要か等について、講師の業務やプライベートにおける活動事例を交えて語られました。

 学生の意見を引き出すような対話形式であったり、学生が周囲の学生と意見交換する時間を設けるであったり、多様な多くの人が参画することで地域における魅力が新たに生み出されるという考えが体現された活力ある講義でした。「だめとされる理由を一つずつ解消して、どうすれば実現できるかを考える。」という考えのもと、ルールを作る、変える行動を起こしたというエピソードについて、印象に残りました。

 本校は奈良先端科学技術大学院大学と奈良市の三者で、地域の産業振興についての相互協力・連携をするための協定を令和4年3月に締結しています。
 今回の特別講義は協定に伴う本校教員と奈良市との交流から生まれており、今後も近隣の自治体や大学、企業などと連携して学生を巻き込んだ活動を進めていきます。


【奈良女子大学 大和・紀伊半島学研究所 前川佳代 協力研究員による特別講義】

 令和4年7月12日(火)、奈良女子大学 大和・紀伊半島学研究所 古代学・聖地学研究センター 前川 佳代 協力研究員により、「奈良の古代菓子文化を古代スイーツとして現代に~甘葛煎(あまづらせん)再現~」と題して、特別講義を実施いただき、学生22名が受講しました。

20220712-01.jpg 20220712-02.jpg

20220712-03.jpg

あまづら(ブドウ科のナツヅタ)

20220712-04.jpg

甘葛煎(樹液を煮詰めたもの)

 講義では、奈良の地に残る古代・中世の菓子文化や、その古代菓子文化において代表的な甘味料である甘葛煎が紹介され、また、幻の甘味と言われた甘葛煎の再現プロジェクト実験について、多くの写真や結果・考察を交えて語られました。

 甘葛煎は遣唐使とともに海を渡り、唐の皇帝に献上されており、その間1年余りも保存が効く必要があるなど、製造等に関しては古代人の知恵や技術が詰まったものになっており、薫物や貢進物としても使われ、貴重なものであったことが資料等から読み解けることが紹介されました。このような歴史的に日本人に食されてきたものを、昔の人の考えに思いめぐらしながら見つけ出し、過去の人たちのメッセージを読み解き、現代社会に活かし、そして未来へと繋げてくという考えは、技術者・研究者を目指して工学を学ぶ学生にとっても必要な視点と感じる講義でした。

PAGETOP