
<株式会社南都銀行様との対談>
7月29日(金)、南都銀行株式会社 常務取締役 河井 重順様、法人営業部長 大田 直樹様、公務・地域活力創造部 副部長 木村 茂浩様、 法人営業部 バリュー開発グループ 清水 征樹様、総務部シニアスタッフ 松村 潔様が来校され、本校 後藤 校長、桐川副校長、COC+実施本部 副本部長 藤田教授、地域創生マインド養成教育プログラム開発委員会 副委員長 山田准教授、竹原講師との対談が行われました。

(山田准教授・竹原講師・河井常務・後藤校長・桐川副校長・大田部長・木村副部長)
【後藤校長】
本日はお忙しい中、お越し頂きありがとうございます。
【藤田教授】
本校では、これまで産学交流の一環として小中学校の出前授業を始め、学市連携事業に取組んできました。加えて、昨年度から地方創生推進事業に採択され、奈良女子大学、奈良県立大学と共に奈良県の活性化に向け取組んでおります。県内企業様等と奈良県の課題解決に向けた研究開発を行うと共に、奈良県雇用労政課様や企業立地推進課様と連携し、学生の県内就職率向上の取組みや企業誘致に向けた取組みも行っております。また、今年度秋から地域理解教育プログラムとして、下市町をテーマに取上げ、学生にカリキュラムを通して問題意識を発見してもらう授業を予定しております。
【河井常務】
当行では、吉野の森林・木材を活かした地域支援を行っております。下市町のお話は、どのような課題ですか。
【藤田教授】
木材事業の課題と高齢者・障害者対策の2つのテーマを学生に投げかけ、地域創生への貢献力・課題発見能力・課題解決能力・合意形成能力をアクティブラーニング形式で行う予定です。将来的には、奈良女子大学・奈良県立大学が文系的視点から課題を投げかけ、本校が工学的見地から技術的解決を行うといった学習もそれぞれの大学・高専の特色を活かすという形にして行きたいと考えております。授業の中間報告や課題解決提案発表会に御行もご参加いただき、学生の地域創生のアイディアへのコメントを頂戴できれば幸いです。
【河井常務】
当行は、南部地域に支店もありますので、COC+事業との関わりを深め、奈良高専との連携により地域貢献が出来ればと思います。
活力創造銀行として、地域のために何ができるのか。奈良県との共存共栄を図るための取組みを積極的に行っております。
事例として、当行は、川上村と村内林業関係4団体が連携して設立した「吉野かわかみ社中」と包括連携協定を締結し、木材商品の開発と生産販売面におけるビジネスマッチングの支援などに取組み、林業関連産業の活性化に貢献し、産業の掘り起しをしております。
桜井市・王寺町・御所市・香芝市とは地方創生にかかる包括連携協定を締結し、地域が元気になる町おこしに取組んでおります。
また、ビジネスプラン事業化支援プロジェクト"<ナント>サクセスロード"を創設し、ベンチャー企業創業を目指す方々の支援を行っております。
これに併せ、創業をお考えの方や創業間もない方々を対象に"< ナント>創業塾2016"を開催致します。
ベンチャー企業のみにとどまらず、"事業継承サポート"や次世代への円滑な事業継承のための"M&Aアドバイザリー"のご案内も行っております。
"奈良県観光活性化ファンド"の投資により、奈良市指定文化財の商家「青田家住宅」(醤油屋)を改装したホテルとレストランは、日本の伝統的な生活空間を体験できるようになっております。このように町家に対しても観光として活用できないか検討しております。
また、国際協力銀行とも連携し日本と諸外国との海外取引をより一層促進するために、中堅・中小企業支援を行っています。
以上のように、産学官金が連携し、幅広い分野で奈良県を応援して参ります。
【後藤校長】
素早い情報収集に注力され、それをうまく地域活性に向けた取組みに活かされておられるのは、やはり地元に根差した金融機関様だからこそできるものと思います。
【河井常務】
国内にある138支店からの情報を集め、その中から個別企業様からのニーズをくみ取り、奈良高専をはじめ奈良女子大学、また各大学へどんどん情報発信して行くことで、学生の県内への就職意欲や企業様のニーズに呼応した研究開発意欲が喚起されれば、そこに資金ニーズも生れ当行の本業を活かすこともできます。
【後藤校長】
産学官金が色々なパイプでつながり、情報ネットワークができ、それを活かして行けたらと考えます。そのためにも、もっと具体的な接点を作ることが重要だと考えます。
【桐川副校長】
例えば、<ナント>サクセスロードに応募して、バックアップをして頂くことも一つの道筋かと考えます。
【河井常務】
応募の中には、アイディアはいいのですが、実用化が見通せず受賞には至らないケースがあります。
【藤田先生】
本校が、申請前の技術相談やブラッシュアップをお手伝いさせて頂くという考え方もあります。工学的なものづくりの技術相談など個別にさせて頂ければと思います。
【大田部長】
連携したい研究分野や業種のご希望があれば、適した企業様をご紹介させて頂きます。
【藤田教授】
本校のSEEDS集をご覧になって、連携したい研究分野の先生にご指名を頂ければと思います。
県内の特色ある様々な企業様をまとめた冊子等があれば、授業の中で紹介することやインターンシップ・企業見学会の時に活用できるのではないかと考えます。
【竹原講師】
低学年に対しての地理歴史・政治経済の授業の中で、地元や地元企業への愛着を涵養し、奈良県民の課題や金融機関の課題等をご提供・ご紹介いただき、その課題に取組む授業を行って参りますので、ご協力頂ければと思います。
【河井常務】
当行では、地域の課題解決を目的に一般の方に地元企業様の工場見学をして頂く企画も行っております。学生や一般の方の視点で見た課題解決は企業側にもプラスになります。
先方様からの了承が頂ければ、今後奈良高専とも実施していけると思います。

【木村副部長】
支店長が参加している各自治体の地方版総合戦略の有識者会議においても、地方創生はこれから解決すべき課題として取上げられております。王寺町では、平群町・三郷町・斑鳩町の広域的な観光ルート・観光マップの作成を奈良県立大学の学生さんにお手伝いして頂き、地域の課題に取組んでおります。
【大田部長】
当行の関連会社である南都経済研究所では、毎月1~2社の企業様を取り上げさせて頂き、企業訪問レポートを作成させて頂いております。
そちらの企業訪問レポートなどもご参照頂ければと思います。
【山田准教授】
県内にどんな分野の企業様があるのか、学生や教員は思いのほか知りません。本校にはいろいろなシーズがありますので、マッチングできそうな企業様があれば技術相談を行うことが出来ます。
【藤田教授】
奈良県の企業に就職してよかったと学生が思えるようにしていきたいです。
また、本校のOB・OGの県内Uターンや再就職支援に地元企業様をご紹介させて頂ければと思います。
【河井常務】
奈良高専の学生のうち女子の占める割合は、どのくらいですか。
【桐川副校長】
1割5分程です。国立高等専門学校機構では3割を目標に挙げております。昨日行われた体験入学でも女子比率は高くなっております。
【山田准教授】
学科によってバラつきはありますが、物質化学工学科では40人中18人が女子学生です。
【桐川副校長】
地元志向の強い女子学生にとっては、県内就職は魅力的です。
【河井常務】
県内大手企業は、元気のある魅力的な企業で、有名企業もたくさんあります。まずは、小さなことから積み重ねて、具体的に実施していければと思っております。単なる連携にとどまらず、産学官金が一体となって地域の活性化、町おこしを実現していきたいです。
【後藤校長】
今後とも御行と奈良高専との間で密な情報・意見交換を継続していくことで、強力な連携をよろしくお願い致します。

※今後の連携強化を相互確認し、和やかな中で対談を終えました。