
株式会社メンバーズ 小峰 正仁様を講師にお招きして、平成29年10月5日(木)、情報工学科4年生を対象に大講義室にて、情報工学科特別講義(キャリアデザインセミナー)第1回が始まりました。
はじめに、主催者である本校 情報工学科 山口 智浩教授から、株式会社メンバーズ様のご紹介や地方創生推進事業(COC+)と進路指導の一環として行われるこの特別講義の意義等について説明がありました。

(株式会社メンバーズ 小峰 正仁様)
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(情報工学科 山口 智浩教授)
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いよいよ小峰様の特別講義が開始され、はじめに自己紹介や株式会社メンバーズ様の「会社基本情報」、「提供するサービス」や「主なお客様」等のご紹介があり、株式会社メンバーズ様のVision2020の目標値を示され「ネットビジネスパートナーとして、企業と人々のエンゲージメントを最も多く創出する」という構想による"社会への貢献"・"会社の発展"・"社員の幸せ"からなる超社会(全員参加型経営)についてお話しされました。また、情報通信業の「外部環境の変化」を「①ウェブビジネス市場規模の予測」「②メディア接触時間の変化」「③枯渇するネット専門職」から述べられ、これまで当然のことと考えられていた認識が、劇的に変化する時代であることを「マーケティング業界のパラダイムシフト」において説明され、「貢献」・「挑戦」・「誠実」・「仲間」の4つを株式会社メンバーズ様のコアバリューとしてお伝えいただきました。さらに、情報通信業の現状を「クロスコンテンツの時代」、「4つのメディアの関係図」などからご説明いただきました。
つぎに、個人ワークとグループワークを通して行われる『今日のセミナーで心がけること3つ』を学生の自由な発想に問いかけました。学生からは、「相手の意見を尊重する」、「自分の意見を大事にする」、「自分の意見を主張する」、「セミナー自体を楽しむ」などの積極的な意見が寄せられ、小峰様からは「楽しみながら参加することで、セミナーの内容をより習得しやすいので心がけてください。」とのお言葉をいただきました。
「今日のセミナーで心がけること3つ」 |
①楽しむ |
②積極的に参加する |
③人の意見を否定しない |
さらに、課題1『あなたはなぜ、この学校・学科に入学しましたか?』や課題2『将来、どんな会社でどんな仕事をしたいですか?』を学生に問いかけ、学生は隣の席の人と語り合い、その想いを発表しクラス全体で共有しました。
その後、4年生の現在から「卒業までの2年間の流れ」を示し、「進学する人も就職する人も将来のことをなるべく早い時期にイメージしていくことが大事です。立ち止まっていると成長しないし、決めないで何もやらないのは、君たちが劣化するので良くないと思います。また、社会へ出る準備とは、社会へ興味を持つことです。新聞やニュースを通して、社会人としての習慣を日頃から身につけてほしいです。」とアドバイスされました。
そして、あなたたちが来年就活を始めるとして「就職面接時の大切なことは、過去ですか?未来ですか?」と質問され、グループで話し合いました。
学生からは、「過去の実績で未来を語られたら、信用できるから過去の方が大事である」、「過去を見たうえで面接にまでこぎつけているので、未来の方が大事である」、「過去が少しくらいだめでも未来のビジョンを持っている人の方が私は採用したいと思う」などの意見が出されました。
小峰様からは、学生それぞれの意見を尊重しながら、企業採用担当者・面接官の立場から就職面接時に大切なのは、過去が8割で未来が2割であるとの結論をいただきました。その根拠として、「過去を見たうえで面接にまでこぎつけている」からという意見もありましたが、履歴書はいくらでもデコレーションできるので、面接時に過去の出来事を確認します。過去の行動結果の延長線上に、未来へのビジョンを語ってもらえれば信頼できます。
そして、良い習慣をどれだけ持っているのかについて質問をします。良い習慣をたくさん持っている人は、再現性があるから成果が出やすいのです。そのためには、日頃が大切であり、日頃できない事は面接でもできません。企業は、今を評価するために、将来の裏付けとして過去を重視し、その人に再現性を求めています。今日からの未来を社会に出る準備期間としてとらえ、良い習慣を大切にしていけば過去の実績につながります。そして、皆さんが、これからの将来どんなことをしたいのかを考えながら、社会に出る準備をしていけば就活に役だちます。」と、アドバイスをいただきました。
また、次にあげる課題3や課題4を問いとして投げかけ、学生は個人ワークにより自己を見つめ、クラス全体に発表しました。
課題3は、『あなたは、企業の人事担当者です。どんな人を採用したいと思いますか?「5つ」書き出してください。』について、学生から「他人の意見を尊重できる人」、「強みを持っている人」、「礼儀正しい人」などの意見が出されました。そして、学生が書いた「5つ」について、今の自分ができているのか、いないのかを自己採点しました。それを踏まえ小峰様から「自分のできていないところについて、自己採点により改善していくことが必要です。」と、述べられました。
課題4は、『社会人になって、自己成長するために大事なことはなんだと思いますか?「3つ」書き出してください。』について学生から「承認を得る」、「反省を重ね共有する」、「勉強や工夫をする」、「何事も考えて行動する」、「仕事を楽しむ」、「熱意を持って行う」などの意見が出されました。小峰様からは、経済産業省が提唱している「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」を「前に踏み出す力(アクション)」・「考え抜く力(シンキング)」・「チームで働く力(チームワーク)」の3つの能力で定義づけ、12の能力要素で構成された「社会人基礎力」についての説明がなされました。
『社会人になって、自己成長するために大事なこと』 |
①インプット(読む・イベント) |
②アウトプット(行動・発言・書く) |
③勉強の基礎力(国語・数学) |
基礎的なマナー等の「人間性、基本的な生活習慣」は、良い経験から培われるもので、それによって成果が生まれます。企業や若者を取り巻く環境変化により、仕事をする上で不可欠な「基礎学力」「専門知識」に加え、それを活かすための「社会人基礎力」を意識的に育成していくことが、今まで以上に重要となってきています。会社はチームで働く場所です。一人一人がそれぞれを認めて、色々な人を受け入れたうえで仕事をしていく柔軟性が必要です。そのためにも、企業は社会のルールを守るや遅刻をしないなどの規律性を重視します。そのために、「学生時代に何をしてきたか?」がとても大切です。あいさつ等日頃から無意識にできるように心がけてください。
『「基礎的なマナー、身の回りのことを自分でしっかりとやる?」とは、どのようなことだと考えますか?』と学生に投げかけ、隣の人とお互いに話し合いました。学生からは、「自分の役割をこなす」、「周囲に迷惑をかけない」、「他人を尊重することで身の回りのことを自分でしっかりやることにつながる」、「当たり前のことを当たり前にする」などの意見が出されました。
小峰様から高専生の傾向として"失敗を嫌がる"ことをあげ、「なぜ失敗したくないのか」を学生に尋ね、「恥ずかしいから」、「他人からどう見られているか気になるから」等の意見が出されました。その上で、小峰様の考えとして、「失敗はできないと分かった時が成功です。このやり方ではできないとわかったことで、次につながります。絵に描いた餅ではなく、成功する人はたくさん失敗しています。失敗しない人は、成功もしません。だから、失敗を恐れて行動をやめてしまうのはもったいないです。失敗を恐れずに行動することで初めて成功します。」とのエールをいただきました。
そして、「なりたい自分をイメージすることで、自分の行動が日々変わります。"自分探し"という言葉 を耳にしますが、自分は探すものではなく、創るものだと思います。自分がどうあるべきか、自分なりに創ってください。これから、自分の未来の為に過去の事実を創出してください。」と、結ばれました。
この特別講義に参加いただいた奈良女子大学 前川 COC+コーディネーターと奈良県立大学 増本 特任准教授にも、その後に行われた意見交換会に参加いただき、キャリア教育の重要性を受講学生のみならず、教職員共々感じる有意義な場となりました。

(意見交換会の様子)
第1回 メンバーズ・キャリアデザインセミナー ~自己成長へ向けて~