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情報工学科 COC+特別講義(第2回キャリアデザインセミナー)(2017年12月7日掲載)

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  第2回 メンバーズ・キャリアデザインセミナー ~社会人の基礎力を身につけよう1~

平成29年11月30日(木)、情報工学科4年生を対象に株式会社メンバーズ 小峰 正仁様を講師にお招きして情報工学科特別講義(第2回キャリアデザインセミナー)が行われました。

前回の特別講義を踏まえ、「社会人の基礎力を身につけよう」と題して「今、社会(企業)で求められている力」について、経済産業省が提唱している「社会人基礎力」を用いて企業の立場からのお話をいただきました。

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(情報工学科 山口 智浩教授)

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(株式会社メンバーズ 小峰 正仁様)

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はじめに、情報工学科 山口 智浩教授から事前課題についての補足説明と小峰様の紹介が行われました。

つぎに、小峰様から株式会社メンバーズの「2018新卒高専採用実績」や日経産業新聞「高専に任せる」の記事についての紹介が行われました。そして、前回同様に今日のセミナーで心がけること3つ「1.楽しむ 2.積極的に参加する 3.人の意見を否定しない」を徹底されました。

そして、学生は4~5人のチームをつくり、代表に選ばれた学生による司会進行のもと、各グループが発表を行いました。

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(特別講義の様子)

これまでの振返りとして、「第1回のキャリアデザインセミナーの後、あたらしく取り組んだことは何でしょうか?」と、小峰様は学生に投げかけました。

各グループから「ニュースサイトを読んで世間を知る努力をした。」「高専生の就職採用状況について調べた。」「TOEICの勉強をした。」「高専祭のホームページを本気で作成した。」などの意見が出されました。

小峰様から「進路について早い時期から決めて、行動している学生ほど就職や進学において、自分が希望する就職先、進学先に受かりやすい傾向にあります。物事を決める際の判断材料となるインプットの量が大事です。」と、アドバイスがありました。

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(グループ発表の様子)

さらに、「働くとは何でしょうか?」と、投げかけ、各グループから「会社の為に働いて対価を得ること。」「自分の新しい発見により、知見を広げること。」「社会貢献。」「生活を豊かにすること。」など、学生の立場での意見が出されました。

それに対して、小峰様から「皆さんがメンバーズの人事担当者となって、学生を採用する立場の場合、採用したい人材とはどんな学生ですか。」という質問が出されました。

学生は、企業の立場での意見を出し合い発表しました。「社会に対する疑問点を持っていて、自分が社会を改善する考えを持っている人。」「仕事に対してやりがいを持っていて、目の前のことに一生懸命取り組む人。」「現状や特性を客観的にとらえられる人。」「会社と一緒に自分も成長し、社会に作用する人。」などの意見が出されました。

小峰様からは、「学生と企業の立場から意見をいただき、ありがとうございます。海外と日本ではクリエイターやエンジニアの待遇に違いがあります。なぜ日本では待遇が良くないのでしょうか。」と、学生に問いかけました。

学生からは、「日本では、雇っている人がクリエイターやエンジニアと直接取引しないから。」「社会に露出していないから、理解されない。」「使われる立場だから、正当な評価を受けていない。」「日本には、チップサービスがないので、個人をほめることができない。」などの意見が出されました。

小峰様からは、日本のビジネスでは「中抜き」する構造が残っていることを説明し、国が提唱している「働き方改革」について、労働環境の改善は企業だけでなく今や国全体に関わる課題であることを述べられました。そして、「働くということが学生と企業の立場から見て違うということに、このセミナーを通して気づいて欲しい。」と、述べられました。

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(グループ発表の様子)
(熱心に質問する学生の姿)

前半の特別講義が終わり、後半の特別講義が開始されるまでの休み時間に、小峰様に熱心に質問する学生の姿が見られました。

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小峰様から「学ぶとは何でしょうか?」という質問が出されると、学生は学生と企業の両方の立場から考えました。

学生の立場では「失敗を次につなげて活かすこと。」「知りたい欲求。」「見識を広げ、就職につなげること。」「知識を得ること。」などが出されました。

企業の立場では「価値や理解できないことへの投資。」「知識や経験を昇華して、どう役立てるか考えること。」「広い範囲で活躍するための新人教育。」「知識を得て目的を達成すること。」などが出されました。

小峰様からは「ビジネスにおけるインプットは知ることによる勉強ですが、新しいことを知ることによって知識をつけることが学ぶということです。皆さんは、今、学べてその知識を吸収できていますか?」という質問が出され、学生は「授業では、基礎知識をつけるに留まっている。」「知らなかったことを知る学ぶ機会を得るために授業が行われている。」などの意見が出されました。

そして、小峰様から「学んでインプットしたことをアウトプットしないと学んだかどうかはわかりません。社会人は、インプットとアウトプットの繰り返しをしないとアイデアが出なくなります。そのために、つまらない仕事を如何にコンバートしていくかが大事です。」とアドバイスをいただきました。

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(「社会人基礎力」の説明と自己評価の様子)

最後に、経済産業省が提唱している「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」を3つの能力で定義づけ、12の能力要素で構成した「社会人基礎力」についてのお話がなされました。

小峰様は、企業や若者を取り巻く環境変化により、仕事をする上で不可欠な「基礎学力」「専門知識」に加え、それを活かすための「人間性、基礎的な生活習慣」を意識的に育成していくことが今まで以上に重要となってきていることや「人間性、基礎的な生活習慣」である「思いやり、公共心、倫理観、基礎的マナー、身の回りのことを自分でしっかりとやる」などが「今、社会(企業)で求められている力」であることを伝えました。

小峰様から「基礎的マナーとは何でしょうか?」という質問が投げかけられ、学生からは「あいさつ。」「相手の立場に立って考える。」「敬語。」「5分前行動。」「約束を守る。」などの意見が出されました。そして、メンバーズ社員のメール文章を例に挙げ、「基礎的マナーは、すぐには身につかないものです。日頃から習慣にすることが必要であるため、皆さんは、学校生活の中で「人間性、基礎的な生活習慣」を身につけておいてください。」とのアドバイスをいただきました。

「人間性、基礎的な生活習慣」として、次の①~⑤について詳しく説明されました。

①処理力・思考力

②対人能力

③対自己能力

④対課題能力

⑤仕事に向かう態度

さらに、「人間性、基礎的な生活習慣」に加えて「親和力とは」・「協働力とは」についても説明がありました。

小峰様から「皆さんが親しみやすい人とは、どんな人ですか。」という質問があり、学生からは「明るい人。」「笑顔が多い人。」「話を聞いてくれる人。」「他人を気遣う人。」「共感してくれる人。」「相槌が上手な人。」などが挙げられました。

小峰様からは、「就職面接で親しみやすい人が重要な理由は、上司や先輩、お客様など周りの人が可愛がってくれるからです。そのため、親しみやすい人は社会人として成長します。また、人の力を自分の力に変えられる人は、成果を出しやすく、その成果を出すためのきっかけは親しみやすさです。」と、述べられました。

次の質問として、小峰様から「協働プロジェクトに参加しない人がいたらどうしますか?」という投げかけがあり、学生からは「やらない人は置いといてやる人だけでやる。」「やってもらえるように声をかける。」「自己成長の為に、やらない人の分まで自分がやる。」などの意見が出されました。

小峰様からは、「やってもらえるような動機づけを行い、ダメなら自分でやる努力をすることです。協働プロジェクトの場合、お客様の情報を入手してチームで成果を出すために情報共有が大事です。学生生活の中でマスターできるようにしておいてください。」とのお言葉をいただきました。

最後に、学生は振り返りとして①~⑩の項目に、「6点満点」で自己採点を行いました。

人間性、基本的な生活習慣
「6点満点」で各項目を自己採点してください。

①親しみやすい:話しかけやすい

②気配り:相手の立場に立って思いやる

③対人興味:他者に興味を持つ

④共感・受容:他者の話に共感し、受け入れる

⑤役割理解:自己や他者の役割を理解する

⑥連携行動:互いに連絡をとり協力して物事を進める

⑦情報共有:他者と情報を共有する

⑧相互支援:他者の状況を理解し、足りないところを補完し合う

⑨意見に耳を傾ける:場の中で他者の意見に耳を傾ける

⑩意見を主張する:場の中で自己の意見を主張する

そして、学生は自己採点の結果を発表しました。

小峰様からは、「ものづくり系の社員は、⑩番の意見を主張することが苦手な傾向にあります。社会人として、場の中で自分の意見を主張することは必要不可欠となります。」と、株式会社メンバーズ様の例を挙げながら述べられました。

それぞれの発表の後に、小峰様は「今日の振返りについて、自分の意見を教えてください。」と学生に投げかけました。学生からは、「自分の意見を前よりも発言できた。」「学生と企業の立場では、働く・学ぶということが違うことに気付いた。」「今までに働く・学ぶということを社会人の観点から考えた事がなかったので新鮮だった。」「発表を通して、普段かくれているクラスの皆の意見が知れて良かった。」「親和力を身につけていけたら良いと思う。」などの意見が出されました。

小峰様は、本日の特別講義について「先生が設けた機会を有効に活用して、今後も企業に質問してみようなど積極的に自己成長に取り組んでください。そして、学生が親しみやすさをインプットして、就職・進学して社会で活かせるように変わっていってください。」と、結ばれました。

この特別講義終了後には、小峰様と教職員による意見交換会が行われました。

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平成29年度 情報工学科特別講義(キャリアデザインセミナー)

 

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