
第3回 メンバーズ・キャリアデザインセミナー ~社会人の基礎力を身につけよう2~
平成30年2月1日(木)、情報工学科4年生を対象に株式会社メンバーズ 小峰 正仁様と熊本 祐馬様を講師にお招きして、情報工学科特別講義(第3回キャリアデザインセミナー)が行われました。
前回の特別講義を踏まえ、「社会人の基礎力を身につけよう」と題して、「SDGs」(2015年9月の国連サミットで採択され、国連加盟193か国が2016年~2030年の15年間で達成するために掲げた17の持続可能な開発目標)の11番目の目標である「住み続けられるまちづくりを」をテーマに、地方創生推進事業(COC+)と奈良高専の立場から学生に何ができるかを考える講義が行われました。

(情報工学科 山口 智浩教授)
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(株式会社メンバーズ 熊本 祐馬様)
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(株式会社メンバーズ 小峰 正仁様)
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はじめに、情報工学科 山口 智浩教授からガイダンスがあり、小峰様と熊本様のご紹介がありました。

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株式会社メンバーズ 熊本 祐馬様による特別講義
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熊本 祐馬様は、2017年3月に本校 情報工学科を卒業され、同年4月に株式会社メンバーズ様にWebディレクターとして入社されました。熊本様から学生時代の研究テーマや部活動等について自己紹介いただき、入社してからの楽しかったことや大変だったこと、また、ご自身の就職活動と今後の目標等についてお話をいただきました。その上で、卒業生の立場から後輩である学生に対して、「これから先、就職・進学等で大きな選択に迫られることがあると思います。そんな時に『自分の行動原理は何なのか』を考え、『自分はこうしたいからこっちだ!』という決断をして、進める人になってください。」と、アドバイスをいただきました。

(熊本様による自己紹介)
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(前半特別講義の様子)
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(質疑応答の様子)
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その後、質疑応答の時間が設けられ、学生から「進学は考えなかったのですか?」や「どのような就活をしたのですか?」などの質問があり、熊本様からそれぞれに丁寧なご回答をいただきました。

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株式会社メンバーズ 小峰 正仁様による特別講義
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小峰 正仁様から2018年3月に福井県鯖江市で空き家をリノベーションして「さとやまオフィス 鯖江」を開設することにより、これまで首都圏で行っていた仕事を地方で担うことで、エンジニアの働き方改革を実現する地方創生の取組み事例をご紹介いただきました。そして、「SDGs」の説明をしたうえで、学生自身がどの目標に興味があるのかを尋ね、自分たちが社会貢献としてどのように関わるかが大事であることを述べられました。

(「SDGs」17の持続可能な開発目標)
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(目標11「住み続けられるまちづくりを」)
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(後半特別講義の様子)
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学生からは、3番目の目標である「すべての人に健康と福祉を」や6番目の目標である「安全な水とトイレを世界中に」や8番目の目標である「働きがいも経済成長も」など開発途上国に対する支援だけでなく、我々先進国にも関わりのある目標への興味が示されました。
そして、小峰様から11番目の目標である「住み続けられるまちづくりを」と地方創生推進事業(COC+)および奈良高専で、どのような社会貢献ができるのかについて、1班4~5名が7つのチームに分かれ、企画を考えるように指示がなされました。
そして、それぞれの班が順に約8分の発表を行い「一毛一IT ~農村で仕事の場をつくりたい」や「奈良高専による起業支援」や「使われていない土地や空き家を企業向けに活用する」等の企画が学生から提案されました。全ての班の発表を終え、最も良かった班への投票が学生の挙手により行われました。3班と7班が決選投票を行いその結果、情報工学を使った介護支援システムと奈良高専の象徴ともいえるロボット技術を活用した介護ロボットの開発による「介護サービスの提供」を提案した7班が選ばれました。
これからは企業が社会の穴(課題)を見つけてアイデアを提案していく時代であることを小峰様は述べ、北九州工業高等専門学校に拠点を置くベンチャー企業で開発を進めている匂いセンサー付の犬型ロボット『はなちゃん』等を例に、「皆さんが自分達で仲間を集って、出来ることから取り組むことで成果につながるのではないでしょうか。首都圏ではエンジニア不足に悩む企業が多く、優秀な人材を確保する為に優秀な学生の多い地方に企業は立地を考えています。奈良県には優秀な学生が多いですので、皆さんが自分のできるところから一歩進んで活性化に取り組んでいただければ地方創生に結び付くと思います。」と、結ばれました。
最後に、この特別講義に対する質疑応答の時間が設けられ、学生から活発な質問が寄せられました。その一つに、「熊本さんなら奈良を活性化する為に、どのような取り組みをしますか?」という質問があり、熊本様から「5班の古民家の話ですが、皆さんは、奈良の活性化の為に悪い所から企画にアプローチしましたが、この悪い所は他の県でも共通している部分です。奈良の良い所、強みを活かしてアプローチしていくことが大事だと思います。活性化のためには人が集まるしくみをつくることです。奈良高専が率先して古民家をイノベーションし、そこに高専生がプラットホームをつくり、研究施設や開発環境等に活用し、また、企業を誘致する仕組み等をつくることで成果につながればと思います。」とのご回答をいただきました。
学生は、本日の特別講義で感じたこと気づいたこと等をアンケート用紙に記入し、それぞれの振り返りとしました。
この特別講義終了後には、小峰様と熊本様、教職員による意見交換会が行われました。

(意見交換会の様子)
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平成29年度 情報工学科特別講義(キャリアデザインセミナー)