
広陵化学工業株式会社様 (2017年7月18日掲載)
COC+政治・経済(担当教員:竹原 信也准教授)では、本校と奈良中央信用金庫様・奈良県内企業様との地方創生コラボ企画により、学生がグループワークで作成した事業計画書を発表し、評価していただいております。
平成29年7月7日(金)、5・6限目に電子制御工学科3年生を対象に、広陵化学工業株式会社 製造部統括工場長 諏訪 敏様を講師としてお招きして特別講演が行われました。
広陵化学工業株式会社様は、プラスチック射出成形メーカーとして創業されて以来、主に食品容器と臨床用器材の分野で、最高品質の商品を提供しておられ、今後さらに組織や技術開発、販売手法などの企業活動で継続的なイノベーションにより、収益力の高い新規事業分野の製品を次々と生み出す県内の優良企業です。
諏訪様の工場長就任から6年間で売上高を1.7倍に増加させた秘話や工場長としての取り組み等をお話しいただきました。「経営の基盤を支えてくれる食品容器」や「高付加価値化が必要な理化学製品」の紹介場面では、実際の商品を見せながら、食品容器7g=3円と理化学製品2g=10円の価格を比較し、商品の高付加価値について分かりやすくご説明いただき、学生の笑いを誘う場面も見られました。「急成長を支えた新規事業分野の製品」については、宅配水と医療機器を例に、収益率の高い分野についてのご紹介をいただきました。さらに、「私がこれまで取り組んできたこと」と題して、諏訪様の工場長としての取り組みをお話しいただきました。
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【広陵化学工業株式会社 製造部統括工場長 諏訪 敏様】
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【ブロー成形技術説明の様子】
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【食品容器と理化学製品の高付加価値説明の様子】
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《私がこれまで取り組んできたこと》
1.自分にしかできない新しい工場長像 (数値に基づいた現場マネジメント)
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2.現場をショールームにするためにスタッフの意識を変える |
①工場、各部署の問題点を数字で示す ②改善テーマを明らかにし目標を数値で示す ③目標を達成するための手段を明確にする ④達成状況を共有し手段を修正・見直しする |
①しっかりとした挨拶 ②清潔な環境と身だしなみ ③ルール厳守の仕事ぶり |
諏訪様は、この二つの取り組みにより、工場長として会社に貢献し、業績を上げてこられました。そして、これからの広陵化学工業株式会社様の目標として、プラスチック製品の受託型メーカーから、自らの商品企画力やプロデュース力で新しい価値を生み出す価値創造型メーカーへの転換について述べられました。「価値創造型メーカー」=「本当のメーカーへ」なる為のポイントとして、産官学の連携が重要であることを伝えました。そして、例えば、シャーレ1セット=9円80銭を産官学の連携により、付加価値をつけ製品化した再生医療用シャーレ3100円とすることで、新しい可能性が市場で実現していきます。夢を追いチャレンジしていく起業家精神や中小企業だからこそできることなど、その魅力や面白さを学生が感じる特別講演でした。
この特別講演に対する質疑応答の時間も設けられ、学生からの質問に対して諏訪様から激励を込めたご回答をいただきました。
その後、学生がグループワークで作成した事業計画書を定められたタイムスケジュールに従って、広陵化学工業株式会社様ブースA・Bと奈良中央信用金庫様ブースA・Bの4つに分かれ発表しました。学生は各班制限時間を精一杯活用して、自分たちの事業計画書の魅力を伝えました。そして、発表内容に関し直接アドバイスをいただき、発表をしていない班は空き時間にアドバイスをもとに改善作業を行いました。
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【質疑応答の様子】
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【広陵化学工業株式会社 総務部総務課 川西 大輔 様】
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【奈良中央信用金庫 本店営業部 北村 守 様(左側) 地域創生推進室 室長 山田 章生 様(右側)】
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最後に、広陵化学工業株式会社様と奈良中央信用金庫様より本講演を通して学生へ総評をいただきました。
広陵化学工業株式会社からは、はじめに 川西様が、「それぞれの班が、良いアイデアを出されています。事務系の立場から皆さんの事業計画書を見せていただき、人件費等の経費面から専門的にアドバイスをさせていただきました。参考にしていただければと思います。」とのお言葉をいただきました。
諏訪様からは、「発表いただいたそれぞれの班から"検査装置"、"プラスチックのねじ"、"ゲルを使用したベット"、"アクリル樹脂の窓ガラス"の提案をいただきました。今ある素材の代わりにプラスチックで低コスト化することやターゲットを細分化して絞り込むこと、また原料として使う素材にもう一工夫別素材をプラスして独自性を出すことなど、お伝えした課題をクリアして是非商品化していただきたいと思います。いずれにしても素晴らしいアイデアで参考になりました。」と、期待を込めたお言葉をいただきました。
奈良中央信用金庫 堀内 厚男様からは、「皆さんは、9月のプレゼンテーションまでに色々なアイデアを出して、新しい何かをつくりだそうとしておられます。その何かは、実現すれば、社会に変化をもたらし、感動がうまれます。そのためには、世の中の人に理解して共感してもらわなければなりません。ここで、プレゼンの神様と呼ばれる奈良県生駒市在住のガー・レイノルズさんの"10のレッスン"をご紹介させていただきます。印象に残るプレゼンテーションのテクニックですので、参考にしていただき、感動してもらえるような最終発表会にしてください。」と、激励のお言葉をいただきました。
『プレゼンの神様 ガー・レイノルズに学ぶ -10のレッスン-』
01.何を使うかは問題ではない。 02. アナログモードで始める 03. 恐れずにリスクを冒す 04.「ストーリー」を探す 05. その人の立場になって考えてみる 06. 自制する 07. 視覚は他のどの感覚よりも勝る 08. 信号 Vs 雑音 09. 空白を受け入れる 10. あなたの周りにあることから学ぶ
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【奈良中央信用金庫 堀内 厚男 様】
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学生は、最終発表会へ向けて事業計画書の完成が急がれます。

第5回 COC+政治・経済 奈良県企業様による特別講演
平成29年度 COC+ 政治・経済