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地域創生事業COC+事業(H27~R1)

≪第5回 COC+政治・経済 フルックス(FRUX)グループ様による特別講演 (2017年7月28日掲載)≫

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第5回COC+政治・経済(担当教員:竹原 信也准教授)では、平成29年7月13日(木)、3・4限目に電気工学科3年生を対象に、フルックス(FRUX)グループ 代表取締役 黒田 久一様を講師としてお招きし、奈良中央信用金庫様にご同席いただき、地方創生コラボ企画としての特別講演を開催いたしました。第3回目の授業では、 経営企画室 室長 村山 光代様を招へいし、「奈良県で活躍している企業の活動内容を知ろう」と題して、事前に会社概要・経営理念等についてのご説明いただきました。

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【フルックス(FRUX)グループ様】

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【奈良中央信用金庫様】

奈良県大和郡山市の昭和工業団地内にあるフルックス(FRUX)グループ様は、果実・青果卸業から創業され本年で54年目を迎えられます。創業者である黒田 一郎様が平成29年5月に他界され、これまでの青果業界における青果物流通への「挑戦」と「学び」を振り返りながら創業者精神を受け継ぎ、時代の変化に対応した次の50年="NEXT50"へ向け、新たな価値創造に挑戦を続けておられる奈良県の優良企業です。

前半は、黒田社長から会社概要・事業紹介等が行われました。

はじめに、「かごの卵理論」によるリスクヘッジの考え方を学びました。「"商売とは心配の上に成り立つもの"で、青果物は天候リスクを抱えているため複数事業に取組むことでリスク分散しています。そして、常に変化に対応し、価値創造に挑戦してきました。"商売はリスクがあるけれど果敢に挑戦できるすばらしいもの"でもあります。」とのお話をいただきました。

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【フルックス(FRUX)グループ 代表取締役 黒田 久一様】

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【アメリカの野菜等売り場における陳列の仕方説明の様子】

つぎに、「日本では、商品に値札が付いていなかった対面販売の時代がありましたが、1673年に越後屋(三越の前身)が正札販売を実施しました。アメリカで世界初のスーパーマーケット キングカレンによるレジスターの登場から食品小売業における"セルフサービス"が始まり、日本にも合理的な販売手法として導入されました。今、有店舗で商品を自ら選んで販売する、この"当たり前のセルフサービス"が大きく変わろうとしています。それはネット販売による「アマゾンの台頭」です。私自身、生鮮食品において、ネット販売は、関係のないものだと思っておりました。しかし、「Amazonフレッシュ」というサービスが東京の一部地域で開始されるようになり、野菜、果物、鮮魚、精肉などの生鮮食品や専門店グルメから日用品まで10万点以上の商品の購入がネットで可能になりました。また、アマゾンは今年6月に、自然・有機食品が強みである米大手高級スーパーのホールフーズ・マーケットを買収しました。これは、ネット企業が有店舗を持つということを意味しています。2社の長所を上手く活用し、融合することで、今までネットでは買うことを躊躇していた生鮮食品も現物を手に取って見ることができます。2社を融合することで、今までとは異なる流通形態になり、流通業界が大きく転換することへの危機感はあります。しかし、ここには新たなビジネスチャンスも生まれます。我々フルックス(FRUX)グループは、お客様にどのような価値を提供できるのか、新たなビジネスへの創造を社内で検討しております。これからは経済的価値だけでなく社会的価値とのバランスを考えた経営が求められています。ビジネスのスピードは速いですが、"あますところなく使いきる、売りきる"ことへの挑戦を続け、Human touchで野菜を扱う分野では一番になるために、顧客中心の売場作りを意識し(Meal solutions with vegetable)、売り上げを拡大していくFRUXタウン構想を練っております。お客様・地域社会・働くすべての人々が豊かになるようフルックスグループは食と農の"かけ橋"となります。」と、述べられました。最後に、マクドナルド創業者のレイ・クロック氏の"成功はごみ箱の中に"を紹介し、「この後、皆さんから事業計画書のアイデアを見せていただきますが、楽しみにしております。」と、激励のお言葉をいただきました。

この特別講演に対する質疑応答の時間が設けられ、学生から「アマゾンがホールフーズを買収したことによる今後の動きや影響は何ですか?」という質問があり、黒田社長から「利便性の向上」「ネット販売では、味わえない買う楽しさ」「Human touch」等からご回答をいただきました。

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【"成功はごみ箱の中に"をご紹介する様子】

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【質疑応答の様子】

後半は、学生がグループワークで作成した事業計画書を定められたタイムスケジュールに従って、フルックス(FRUX)グループ様ブースA・Bと奈良中央信用金庫様ブースA・Bの4つに分かれ発表しました。学生は各班制限時間を精一杯活用して、自分たちの事業計画書の魅力を伝えました。そして、発表内容に関し直接アドバイスをいただき、発表をしていない班は空き時間にアドバイスをもとに改善作業を行いました。

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【奈良中央信用金庫
結崎支店 藤原 達哉 支店長(左側)
地域創生推進室 副室長 堀内 厚男 様(右側)】

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【奈良中央信用金庫 地域創生推進室 室長 山田 章生 様】

 

最後に、フルックス(FRUX)グループ様と奈良中央信用金庫様より本講演を通して学生へ総評をいただきました。

フルックス(FRUX)グループ 竹中 ゆい様からは、「本日はありがとうございました。学生さんならではの柔軟な考え方をお伺いできて、新たな刺激となりました。皆様の事業計画書を参考として、これからの事業に取り入れていければと思います。」とのコメントをいただきました。

フルックス(FRUX)グループ 河野 真也様からは、「お疲れ様でした。皆さんからエネルギーと情熱が伝わってきました。地産地消や奈良のものを使って奈良の活性化につながるアイデアでした。これからも自分のイメージしたものをかたちにできるような自分なりの考え方を持っていただければと思います。」とのコメントをいただきました。

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【フルックス(FRUX)グループ 竹中 ゆい様】

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【フルックス(FRUX)グループ 河野 真也様】

奈良中央信用金庫 堀内 厚男様に、「政治経済ワークシート No.9」の答え合わせをしていただきました。そして、その後、「皆さんは本日、新しいアイデアを事業計画書にしました。新しい何かは世の中に変化をもたらし、わくわくドキドキが生まれます。9月に予定されている最終発表会では、わくわくドキドキするような発表をして共感してもらえるように頑張ってください。会社に入ると営業や事業提案等多くの発表の機会があります。この授業での経験は社会に出てからも役に立ちます。12月に、斑鳩でビジネスコンテストがあります。(第1回高校生ビジネス・グランプリin斑鳩)是非、チャレンジしていただければと思います。」と、激励のお言葉をいただきました。

「政治経済ワークシート No.9」の答え

☆事業計画書をよりよくするために

事業計画書の評価基準

(新規性):アイデアが創造性に優れ、他に無いものである。

(実現性):アイデアは実際に実現の可能性が高い。

(事業性):アイデアは収益が見込め継続的な事業が可能である。

三つの絞り

①(商品)を絞る ②(ターゲット)を絞る ③(知恵)を絞る

三つのなぜに答えよう

①なぜ、この事業が(社会)に必要か。

②なぜ、この事業に(将来性)があるのか。

③なぜ、この事業を(世の中に広めたい)と思うのか。

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【奈良中央信用金庫 堀内 厚男 様】

学生は、今後、最終発表会へ向けパワーポイントによるスライド作成等の準備に取組んでまいります。

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フルックス(FRUX)グループ様 (2017年7月28日掲載)
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