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地域社会技術特論 学外研修・下市町現地調査(2017年6月12日掲載)

本年度前期の専攻科1年の授業である『地域社会技術特論』では、地域創生演習科目として、地方創生に対して技術者が果たす役割とその重要性を理解することを目的として、課題発見、課題解決能力等を養う授業を実践しています。この授業では、実際に奈良県吉野郡下市町の「林業」・「農業」の各産業における問題に対し、技術者の立場から課題解決策の検討に取り組んでおります。

本授業の取り組みの一環として、4月14日に下市町を訪問し現地調査を実施しました。本調査では、下市町役場、並びに各産業の現場を訪問し、各現場での実際の作業内容を見せて頂くとともに、関係者各位より町や各産業が取り巻く環境、現在問題になっている現状などを直接聞くことで、学生たち自ら、地域が抱える解決すべき問題がどこにあるのかを発見する試みがなされました。

午前中は、林業の調査として、育林事業から木造建築の設計施工まで、「木」に関する様々な事業に取り組んでおられる吉野銘木製造販売株式会社様を訪問しました。

吉野銘木様では、伐採した樹木の加工現場や、乾燥・保管の現場を見せて頂き、実際の作業において苦労している点なども含め、ご説明頂き、学生からは活発な質疑応答がなされました。また、今回、無垢の檜や杉など吉野の木材を用いた住まいのショールームを見学させて頂き、学生たちは、無垢の材質の床や壁を体感することができました。

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午後からは、農業の調査として、ぶどう・梨・梅などの栽培から梅エキス等の加工品の製造・販売も手掛けられている菊井農園様を訪問しました。

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菊井農園様をはじめ、近隣の町の農家では、ここ数年、猪や鹿など鳥獣被害が深刻化しており、作物への被害状況の説明を受けました。現在の対策としては、現状の農地に入らせない電気柵などを設置しているものの十分ではなく、作物への被害はもとより、丹精込めて作った作物を荒らされることによる農家の方々の農業意欲の低下が懸念され、対策が急務な状況です。学生たちは被害の状況を目の当たりにし、現状の対策の問題点や猪の習性など多岐にわたる質問が学生からなされ、菊井農園様からの回答に熱心に耳を傾けていました。

最後に下市町役場を訪問し、役場の方々から現在下市町が抱える問題として、高齢化や鳥獣被害について説明がなされました。また、町の活性化の一環として、下市町には自治体や町の住民が運営しているゲストハウスが3件あり、今春オープンした「アプリコット」の管理人である秋谷様より、活性化の取り組みやゲストハウス施設に関する説明がなされました。

今回の現地での調査、体験を学校に持ち帰り、技術者の観点から下市町が抱える問題を抽出し、課題発見・課題解決につなげていくとともに、これらのワークを通じ、学生たちが社会との関わりの中で、課題設定能力・課題解決提案能力を身につけ、実践できるように講義を進めて参ります。

現地調査に際し、お忙しい中、ご協力いただきました下市町役場様、菊井農園様、吉野銘木様、秋谷様に感謝いたします。

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平成29年度 前期 地域社会技術特論

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