平成28年11月29日(火)、奈良県農業協同組合(JAならけん)農協会館 5階大会議室で行われた『第3回 TAC(営農販売専任・営農販売)担当者研修会 第2部』において、「国立奈良工業高等専門学校での農業分野への取り組みについて」と題して、本校 機械工学科 榎 真一 准教授と専攻科 機械制御工学専攻2年 揉井 雅紀 君(指導教員 電子制御工学科 飯田 賢一教授)が発表を致しました。

(機械工学科 榎 真一 准教授)
|

(機械制御専攻2年 揉井 雅紀 君)
|
地方創生推進(COC+)事業の事業協働機関である奈良県農業協同組合(JAならけん)様から、奈良県下に設置されている19箇所の経済センターに所属する「地域農業の担い手に出向くJA担当者」(TAC)の方々を対象とした研修会において、現在、本校が学内横断的に組織化した「農工連携クラスター」で取り組んでいるテーマを披露する場を頂きました。
はじめに、身吉専門員より地方創生推進(COC+)事業の取り組み紹介がなされました。その中で、「地域創生には、産学官金の一体となった連携が必要です。」と述べ、今後の農業分野での取り組みについて、さらなる連携を深めていくことをお願いしました。
次に、揉井 雅紀 君より「農業の圃場環境センシングシステムの開発」についての発表がありました。日本の就農者人口の減少・就農者の高齢化問題や新規参入者が抱える問題を農作業の軽労化・生産性の向上や技術支援の面から研究アプローチし、「農作物自動運搬ロボット」・「環境センシングロボット(屋内)」・「環境センシングロボット(屋外)」の3つを柱に解決策の提案をしました。実際の評価実験等の映像を用いてわかりやすく説明しました。
続いて、榎 真一 准教授より「災害に強い高剛性パイプハウス」についての発表がありました。パイプハウスの簡易的な構造の二面性(農業従事者自身で施工できる点と強度が十分でない点)を挙げ、災害の少ない奈良県において、実際の台風と積雪によるパイプハウスの倒壊被害の写真を用いて、片側に偏った荷重がかかり倒壊している現状を伝えました。そのうえで、材料コストや組立性を保持した新構造パイプハウスを提案し,3次元構造解析を行うことで,台風や積雪による倒壊対策に有効な構造であることを確認した結果を説明しました。
その後、2つの発表について質疑応答が行われ、活発な意見交換がなされました。次々と質問を頂き、終了後も直接質問を頂く場面も見られ、発表に対する関心の表れを目にしました。
農業を取り巻く環境が日々刻々と変化する中、約50名の参加者の農業にかける思いを感じる良い機会となりました。