
平成28年11月25日(金)、専攻科2年生を対象とした『社会技術特論』で、中間発表会が行われました。奈良県吉野郡下市町の「林業」・「農業」・「商業」の各産業が抱える問題の解決をテーマに、産業ごとに2班ずつ合計6班の学生が、7分間の発表を行い、その後3分間の質疑応答を受けました。中間発表では、下市町の「あるべき姿」と「現状の姿」とのギャップを現在抱える「問題」とし、その問題を解決するための「課題」を発見、設定することを目指しました。各班は、マインドマップによる事前調査や現地調査での気づきを踏まえて、問題点を整理したロジックツリー(WHY)を作成し、その問題に対する課題を想定しました。さらに、グルーピングやペイオフマトリックスの手法を使って、課題の効果を検討し、最終的な課題を設定していきました。

(学生作成のペイオフマトリックス)
|

(プレゼンテーションの様子)
|

(担当教員からのアドバイスの様子)
|
当日は、下市町役場 辻 英樹 様と林 力達 様をお招きして、また、Google ハングアウトによるネット配信を行い、下市町役場から松原 正城 様にも授業にご参加いただきました。

(下市町役場 辻 英樹 様)
|

(下市町役場 林 力達 様)
|

(下市町役場 松原 正城 様)
|
下市町の皆様からは、下市町の実情を踏まえた上で、学生の課題設定に対してコメントをいただきました。具体的に、松原様からは、商業班に対して、「人口減少・人不足の解決策として人を増やすことを提案していただきましたが、住民を増やすのか外から来る人を増やすのかターゲットをどちらかに絞って検討していただきたいです。」とのコメントをいただきました。また、農業班に対しては、「鳥獣対策ではイノシシなどが食べない作物の改良等、鳥獣が畑に入らない方法を新たな視点からのアプローチで考えてみてください。」とのコメントをいただきました。林業班に対しては、「エンジニアが林業に興味を持つには、どうしたらよいか教えてください。」とのコメントをいただきました。
また、 辻様からは、「色々なご意見を有難うございます。学生の皆さんは問題を的確にとらえておられます。下市町においても高齢化は避けられない課題です。現在も地域の人たちと町に人を取り入れる体制づくりや魅力あるまちづくりに取り組んでいます。マイナスイメージはありますが、皆さんのアイデアで工学と人とをかけ合わせた解決を楽しみにしています。」とのコメントをいただきました。
さらに、林様からは、実際に鳥獣対策を担当しておられる立場から「イノシシなどを寄せ付けないことも大事ですが、鳥獣が増えることが根本的な問題でもあります。さらに、農家が被害にあい、やる気をなくして耕作放棄地が増えるといった問題も起こります。鳥獣対策から広がる問題についても考えていただければと思います。」と、コメントをいただきました。
さらに、地方創生推進事業(COC+)の協働機関である奈良女子大学 前川コーディネーターや奈良県立大学 増本 特任准教授にもご参加いただきコメントをいただきました。
奈良県立大学 増本先生からは、「各班レベルの高い、よくまとまった発表でした。次の解決策に向けて、担当教員からの意見をいただくと思いますが、地元の方からも意見をもらってフィードバックをはかる交流をしていただきたいと思います。」とのアドバイスをいただきました。
奈良女子大学 前川コーディネーターからは、「百聞は一見にしかず、と言うことわざのとおり、現地に行って課題に取り組むことが大切です。工学的に問題点を分析し、今後の工業的な課題解決策に期待しております。」とのお言葉をいただきました。
今後、それぞれの班が設定した課題解決に向けての取り組みがなされます。ますます、最終提案発表会に期待が高まります。

社会技術特論