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地域創生事業COC+事業(H27~R1)

平成29年度 情報工学科特別講義(キャリアデザインセミナー) 

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≪情報工学科4年生≫

本校では、地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)の一環として、キャリア教育、地元企業への雇用推進に取り組んでおります。

この特別講義は、学生自らが職業について主体的に構想・設計し、 自分の経験やスキル、性格、ライフスタイルなどを考慮した上で、実際の労働市場の状況なども勘案しながら仕事を通じて実現したい将来像やそれに近づくプロセスを明確にするための手がかりとして行われております。

昨年度から継続して情報工学科4年生を対象に、株式会社メンバーズ  取締役CFO兼常務執行役員 小峰 正仁 様をお招きして、キャリアデザインについて企業の立場から幅広い視点で語っていただきます。

平成29年10月5日(木)から全3回に渡って実施され、各日、セミナー後に教職員との意見交換会が予定されております。

 


 

≪講義内容等≫

                 

回数 日程 講義内容等
第 1 回 10/ 5

メンバーズ・キャリアデザインセミナー ~自己成長へ向けて~

第 2 回 11/30

メンバーズ・キャリアデザインセミナー ~社会人の基礎力を身につけよう1~

第 3 回 2 /  1

メンバーズ・キャリアデザインセミナー ~社会人の基礎力を身につけよう2~

 

 

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平成29年度 前期 地域社会技術特論

平成29年度 後期 社会技術特論

平成29年度 COC+ 政治・経済

平成29年度 社会科学特論

平成29年度 COC+地理

 


≪情報工学科特別講義(キャリアデザインセミナー) 株式会社メンバーズ  取締役CFO兼常務執行役員 小峰 正仁 様≫

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株式会社メンバーズ 小峰 正仁様を講師にお招きして、平成29年10月5日(木)、情報工学科4年生を対象に大講義室にて、情報工学科特別講義(キャリアデザインセミナー)第1回が始まりました。

はじめに、主催者である本校 情報工学科 山口 智浩教授から、株式会社メンバーズ様のご紹介や地方創生推進事業(COC+)と進路指導の一環として行われるこの特別講義の意義等について説明がありました。

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(株式会社メンバーズ 小峰 正仁様)

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(情報工学科 山口 智浩教授)

いよいよ小峰様の特別講義が開始され、はじめに自己紹介や株式会社メンバーズ様の「会社基本情報」、「提供するサービス」や「主なお客様」等のご紹介があり、株式会社メンバーズ様のVision2020の目標値を示され「ネットビジネスパートナーとして、企業と人々のエンゲージメントを最も多く創出する」という構想による"社会への貢献"・"会社の発展"・"社員の幸せ"からなる超社会(全員参加型経営)についてお話しされました。また、情報通信業の「外部環境の変化」を「①ウェブビジネス市場規模の予測」「②メディア接触時間の変化」「③枯渇するネット専門職」から述べられ、これまで当然のことと考えられていた認識が、劇的に変化する時代であることを「マーケティング業界のパラダイムシフト」において説明され、「貢献」・「挑戦」・「誠実」・「仲間」の4つを株式会社メンバーズ様のコアバリューとしてお伝えいただきました。さらに、情報通信業の現状を「クロスコンテンツの時代」、「4つのメディアの関係図」などからご説明いただきました。

つぎに、個人ワークとグループワークを通して行われる『今日のセミナーで心がけること3つ』を学生の自由な発想に問いかけました。学生からは、「相手の意見を尊重する」、「自分の意見を大事にする」、「自分の意見を主張する」、「セミナー自体を楽しむ」などの積極的な意見が寄せられ、小峰様からは「楽しみながら参加することで、セミナーの内容をより習得しやすいので心がけてください。」とのお言葉をいただきました。

「今日のセミナーで心がけること3つ」
①楽しむ ②積極的に参加する ③人の意見を否定しない

さらに、課題1『あなたはなぜ、この学校・学科に入学しましたか?』や課題2『将来、どんな会社でどんな仕事をしたいですか?』を学生に問いかけ、学生は隣の席の人と語り合い、その想いを発表しクラス全体で共有しました。

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その後、4年生の現在から「卒業までの2年間の流れ」を示し、「進学する人も就職する人も将来のことをなるべく早い時期にイメージしていくことが大事です。立ち止まっていると成長しないし、決めないで何もやらないのは、君たちが劣化するので良くないと思います。また、社会へ出る準備とは、社会へ興味を持つことです。新聞やニュースを通して、社会人としての習慣を日頃から身につけてほしいです。」とアドバイスされました。

そして、あなたたちが来年就活を始めるとして「就職面接時の大切なことは、過去ですか?未来ですか?」と質問され、グループで話し合いました。

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学生からは、「過去の実績で未来を語られたら、信用できるから過去の方が大事である」、「過去を見たうえで面接にまでこぎつけているので、未来の方が大事である」、「過去が少しくらいだめでも未来のビジョンを持っている人の方が私は採用したいと思う」などの意見が出されました。

小峰様からは、学生それぞれの意見を尊重しながら、企業採用担当者・面接官の立場から就職面接時に大切なのは、過去が8割で未来が2割であるとの結論をいただきました。その根拠として、「過去を見たうえで面接にまでこぎつけている」からという意見もありましたが、履歴書はいくらでもデコレーションできるので、面接時に過去の出来事を確認します。過去の行動結果の延長線上に、未来へのビジョンを語ってもらえれば信頼できます。

そして、良い習慣をどれだけ持っているのかについて質問をします。良い習慣をたくさん持っている人は、再現性があるから成果が出やすいのです。そのためには、日頃が大切であり、日頃できない事は面接でもできません。企業は、今を評価するために、将来の裏付けとして過去を重視し、その人に再現性を求めています。今日からの未来を社会に出る準備期間としてとらえ、良い習慣を大切にしていけば過去の実績につながります。そして、皆さんが、これからの将来どんなことをしたいのかを考えながら、社会に出る準備をしていけば就活に役だちます。」と、アドバイスをいただきました。

また、次にあげる課題3や課題4を問いとして投げかけ、学生は個人ワークにより自己を見つめ、クラス全体に発表しました。

課題3は、『あなたは、企業の人事担当者です。どんな人を採用したいと思いますか?「5つ」書き出してください。』について、学生から「他人の意見を尊重できる人」、「強みを持っている人」、「礼儀正しい人」などの意見が出されました。そして、学生が書いた「5つ」について、今の自分ができているのか、いないのかを自己採点しました。それを踏まえ小峰様から「自分のできていないところについて、自己採点により改善していくことが必要です。」と、述べられました。

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課題4は、『社会人になって、自己成長するために大事なことはなんだと思いますか?「3つ」書き出してください。』について学生から「承認を得る」、「反省を重ね共有する」、「勉強や工夫をする」、「何事も考えて行動する」、「仕事を楽しむ」、「熱意を持って行う」などの意見が出されました。小峰様からは、経済産業省が提唱している「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」を「前に踏み出す力(アクション)」・「考え抜く力(シンキング)」・「チームで働く力(チームワーク)」の3つの能力で定義づけ、12の能力要素で構成された「社会人基礎力」についての説明がなされました。                                    

『社会人になって、自己成長するために大事なこと』
①インプット(読む・イベント)  ②アウトプット(行動・発言・書く) ③勉強の基礎力(国語・数学)

基礎的なマナー等の「人間性、基本的な生活習慣」は、良い経験から培われるもので、それによって成果が生まれます。企業や若者を取り巻く環境変化により、仕事をする上で不可欠な「基礎学力」「専門知識」に加え、それを活かすための「社会人基礎力」を意識的に育成していくことが、今まで以上に重要となってきています。会社はチームで働く場所です。一人一人がそれぞれを認めて、色々な人を受け入れたうえで仕事をしていく柔軟性が必要です。そのためにも、企業は社会のルールを守るや遅刻をしないなどの規律性を重視します。そのために、「学生時代に何をしてきたか?」がとても大切です。あいさつ等日頃から無意識にできるように心がけてください。

『「基礎的なマナー、身の回りのことを自分でしっかりとやる?」とは、どのようなことだと考えますか?』と学生に投げかけ、隣の人とお互いに話し合いました。学生からは、「自分の役割をこなす」、「周囲に迷惑をかけない」、「他人を尊重することで身の回りのことを自分でしっかりやることにつながる」、「当たり前のことを当たり前にする」などの意見が出されました。

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小峰様から高専生の傾向として"失敗を嫌がる"ことをあげ、「なぜ失敗したくないのか」を学生に尋ね、「恥ずかしいから」、「他人からどう見られているか気になるから」等の意見が出されました。その上で、小峰様の考えとして、「失敗はできないと分かった時が成功です。このやり方ではできないとわかったことで、次につながります。絵に描いた餅ではなく、成功する人はたくさん失敗しています。失敗しない人は、成功もしません。だから、失敗を恐れて行動をやめてしまうのはもったいないです。失敗を恐れずに行動することで初めて成功します。」とのエールをいただきました。

そして、「なりたい自分をイメージすることで、自分の行動が日々変わります。"自分探し"という言葉 を耳にしますが、自分は探すものではなく、創るものだと思います。自分がどうあるべきか、自分なりに創ってください。これから、自分の未来の為に過去の事実を創出してください。」と、結ばれました。

この特別講義に参加いただいた奈良女子大学 前川 COC+コーディネーターと奈良県立大学 増本 特任准教授にも、その後に行われた意見交換会に参加いただき、キャリア教育の重要性を受講学生のみならず、教職員共々感じる有意義な場となりました。

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(意見交換会の様子)

  
  第1回 メンバーズ・キャリアデザインセミナー ~自己成長へ向けて~

 


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  第2回 メンバーズ・キャリアデザインセミナー ~社会人の基礎力を身につけよう~

平成29年11月30日(木)、情報工学科4年生を対象に株式会社メンバーズ 小峰 正仁様を講師にお招きして情報工学科特別講義(第2回キャリアデザインセミナー)が行われました。

前回の特別講義を踏まえ、「社会人の基礎力を身につけよう」と題して「今、社会(企業)で求められている力」について、経済産業省が提唱している「社会人基礎力」を用いて企業の立場からのお話をいただきました。

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(情報工学科 山口 智浩教授)

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(株式会社メンバーズ 小峰 正仁様)

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はじめに、情報工学科 山口 智浩教授から事前課題についての補足説明と小峰様の紹介が行われました。

つぎに、小峰様から株式会社メンバーズの「2018新卒高専採用実績」や日経産業新聞「高専に任せる」の記事についての紹介が行われました。そして、前回同様に今日のセミナーで心がけること3つ「1.楽しむ 2.積極的に参加する 3.人の意見を否定しない」を徹底されました。

そして、学生は4~5人のチームをつくり、代表に選ばれた学生による司会進行のもと、各グループが発表を行いました。

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(特別講義の様子)

これまでの振返りとして、「第1回のキャリアデザインセミナーの後、あたらしく取り組んだことは何でしょうか?」と、小峰様は学生に投げかけました。

各グループから「ニュースサイトを読んで世間を知る努力をした。」「高専生の就職採用状況について調べた。」「TOEICの勉強をした。」「高専祭のホームページを本気で作成した。」などの意見が出されました。

小峰様から「進路について早い時期から決めて、行動している学生ほど就職や進学において、自分が希望する就職先、進学先に受かりやすい傾向にあります。物事を決める際の判断材料となるインプットの量が大事です。」と、アドバイスがありました。

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(グループ発表の様子)

さらに、「働くとは何でしょうか?」と、投げかけ、各グループから「会社の為に働いて対価を得ること。」「自分の新しい発見により、知見を広げること。」「社会貢献。」「生活を豊かにすること。」など、学生の立場での意見が出されました。

それに対して、小峰様から「皆さんがメンバーズの人事担当者となって、学生を採用する立場の場合、採用したい人材とはどんな学生ですか。」という質問が出されました。

学生は、企業の立場での意見を出し合い発表しました。「社会に対する疑問点を持っていて、自分が社会を改善する考えを持っている人。」「仕事に対してやりがいを持っていて、目の前のことに一生懸命取り組む人。」「現状や特性を客観的にとらえられる人。」「会社と一緒に自分も成長し、社会に作用する人。」などの意見が出されました。

小峰様からは、「学生と企業の立場から意見をいただき、ありがとうございます。海外と日本ではクリエイターやエンジニアの待遇に違いがあります。なぜ日本では待遇が良くないのでしょうか。」と、学生に問いかけました。

学生からは、「日本では、雇っている人がクリエイターやエンジニアと直接取引しないから。」「社会に露出していないから、理解されない。」「使われる立場だから、正当な評価を受けていない。」「日本には、チップサービスがないので、個人をほめることができない。」などの意見が出されました。

小峰様からは、日本のビジネスでは「中抜き」する構造が残っていることを説明し、国が提唱している「働き方改革」について、労働環境の改善は企業だけでなく今や国全体に関わる課題であることを述べられました。そして、「働くということが学生と企業の立場から見て違うということに、このセミナーを通して気づいて欲しい。」と、述べられました。

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(グループ発表の様子)
(熱心に質問する学生の姿)

前半の特別講義が終わり、後半の特別講義が開始されるまでの休み時間に、小峰様に熱心に質問する学生の姿が見られました。

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小峰様から「学ぶとは何でしょうか?」という質問が出されると、学生は学生と企業の両方の立場から考えました。

学生の立場では「失敗を次につなげて活かすこと。」「知りたい欲求。」「見識を広げ、就職につなげること。」「知識を得ること。」などが出されました。

企業の立場では「価値や理解できないことへの投資。」「知識や経験を昇華して、どう役立てるか考えること。」「広い範囲で活躍するための新人教育。」「知識を得て目的を達成すること。」などが出されました。

小峰様からは「ビジネスにおけるインプットは知ることによる勉強ですが、新しいことを知ることによって知識をつけることが学ぶということです。皆さんは、今、学べてその知識を吸収できていますか?」という質問が出され、学生は「授業では、基礎知識をつけるに留まっている。」「知らなかったことを知る学ぶ機会を得るために授業が行われている。」などの意見が出されました。

そして、小峰様から「学んでインプットしたことをアウトプットしないと学んだかどうかはわかりません。社会人は、インプットとアウトプットの繰り返しをしないとアイデアが出なくなります。そのために、つまらない仕事を如何にコンバートしていくかが大事です。」とアドバイスをいただきました。

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(「社会人基礎力」の説明と自己評価の様子)

最後に、経済産業省が提唱している「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」を3つの能力で定義づけ、12の能力要素で構成した「社会人基礎力」についてのお話がなされました。

小峰様は、企業や若者を取り巻く環境変化により、仕事をする上で不可欠な「基礎学力」「専門知識」に加え、それを活かすための「人間性、基礎的な生活習慣」を意識的に育成していくことが今まで以上に重要となってきていることや「人間性、基礎的な生活習慣」である「思いやり、公共心、倫理観、基礎的マナー、身の回りのことを自分でしっかりとやる」などが「今、社会(企業)で求められている力」であることを伝えました。

小峰様から「基礎的マナーとは何でしょうか?」という質問が投げかけられ、学生からは「あいさつ。」「相手の立場に立って考える。」「敬語。」「5分前行動。」「約束を守る。」などの意見が出されました。そして、メンバーズ社員のメール文章を例に挙げ、「基礎的マナーは、すぐには身につかないものです。日頃から習慣にすることが必要であるため、皆さんは、学校生活の中で「人間性、基礎的な生活習慣」を身につけておいてください。」とのアドバイスをいただきました。

「人間性、基礎的な生活習慣」として、次の①~⑤について詳しく説明されました。

①処理力・思考力

②対人能力

③対自己能力

④対課題能力

⑤仕事に向かう態度

さらに、「人間性、基礎的な生活習慣」に加えて「親和力とは」・「協働力とは」についても説明がありました。

小峰様から「皆さんが親しみやすい人とは、どんな人ですか。」という質問があり、学生からは「明るい人。」「笑顔が多い人。」「話を聞いてくれる人。」「他人を気遣う人。」「共感してくれる人。」「相槌が上手な人。」などが挙げられました。

小峰様からは、「就職面接で親しみやすい人が重要な理由は、上司や先輩、お客様など周りの人が可愛がってくれるからです。そのため、親しみやすい人は社会人として成長します。また、人の力を自分の力に変えられる人は、成果を出しやすく、その成果を出すためのきっかけは親しみやすさです。」と、述べられました。

次の質問として、小峰様から「協働プロジェクトに参加しない人がいたらどうしますか?」という投げかけがあり、学生からは「やらない人は置いといてやる人だけでやる。」「やってもらえるように声をかける。」「自己成長の為に、やらない人の分まで自分がやる。」などの意見が出されました。

小峰様からは、「やってもらえるような動機づけを行い、ダメなら自分でやる努力をすることです。協働プロジェクトの場合、お客様の情報を入手してチームで成果を出すために情報共有が大事です。学生生活の中でマスターできるようにしておいてください。」とのお言葉をいただきました。

最後に、学生は振り返りとして①~⑩の項目に、「6点満点」で自己採点を行いました。

人間性、基本的な生活習慣
「6点満点」で各項目を自己採点してください。

①親しみやすい:話しかけやすい

②気配り:相手の立場に立って思いやる

③対人興味:他者に興味を持つ

④共感・受容:他者の話に共感し、受け入れる

⑤役割理解:自己や他者の役割を理解する

⑥連携行動:互いに連絡をとり協力して物事を進める

⑦情報共有:他者と情報を共有する

⑧相互支援:他者の状況を理解し、足りないところを補完し合う

⑨意見に耳を傾ける:場の中で他者の意見に耳を傾ける

⑩意見を主張する:場の中で自己の意見を主張する

そして、学生は自己採点の結果を発表しました。

小峰様からは、「ものづくり系の社員は、⑩番の意見を主張することが苦手な傾向にあります。社会人として、場の中で自分の意見を主張することは必要不可欠となります。」と、株式会社メンバーズ様の例を挙げながら述べられました。

それぞれの発表の後に、小峰様は「今日の振返りについて、自分の意見を教えてください。」と学生に投げかけました。学生からは、「自分の意見を前よりも発言できた。」「学生と企業の立場では、働く・学ぶということが違うことに気付いた。」「今までに働く・学ぶということを社会人の観点から考えた事がなかったので新鮮だった。」「発表を通して、普段かくれているクラスの皆の意見が知れて良かった。」「親和力を身につけていけたら良いと思う。」などの意見が出されました。

小峰様は、本日の特別講義について「先生が設けた機会を有効に活用して、今後も企業に質問してみようなど積極的に自己成長に取り組んでください。そして、学生が親しみやすさをインプットして、就職・進学して社会で活かせるように変わっていってください。」と、結ばれました。

この特別講義終了後には、小峰様と教職員による意見交換会が行われました。

 


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  第3回 メンバーズ・キャリアデザインセミナー ~社会人の基礎力を身につけよう2~

平成30年2月1日(木)、情報工学科4年生を対象に株式会社メンバーズ 小峰 正仁様と熊本 祐馬様を講師にお招きして、情報工学科特別講義(第3回キャリアデザインセミナー)が行われました。

前回の特別講義を踏まえ、「社会人の基礎力を身につけよう」と題して、「SDGs」(2015年9月の国連サミットで採択され、国連加盟193か国が2016年~2030年の15年間で達成するために掲げた17の持続可能な開発目標)の11番目の目標である「住み続けられるまちづくりを」をテーマに、地方創生推進事業(COC+)と奈良高専の立場から学生に何ができるかを考える講義が行われました。

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(情報工学科 山口 智浩教授)

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(株式会社メンバーズ 熊本 祐馬様)

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(株式会社メンバーズ 小峰 正仁様)

はじめに、情報工学科 山口 智浩教授からガイダンスがあり、小峰様と熊本様のご紹介がありました。

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株式会社メンバーズ 熊本 祐馬様による特別講義

熊本 祐馬様は、2017年3月に本校 情報工学科を卒業され、同年4月に株式会社メンバーズ様にWebディレクターとして入社されました。熊本様から学生時代の研究テーマや部活動等について自己紹介いただき、入社してからの楽しかったことや大変だったこと、また、ご自身の就職活動と今後の目標等についてお話をいただきました。その上で、卒業生の立場から後輩である学生に対して、「これから先、就職・進学等で大きな選択に迫られることがあると思います。そんな時に『自分の行動原理は何なのか』を考え、『自分はこうしたいからこっちだ!』という決断をして、進める人になってください。」と、アドバイスをいただきました。

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(熊本様による自己紹介)

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(前半特別講義の様子)

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(質疑応答の様子)

その後、質疑応答の時間が設けられ、学生から「進学は考えなかったのですか?」や「どのような就活をしたのですか?」などの質問があり、熊本様からそれぞれに丁寧なご回答をいただきました。

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株式会社メンバーズ 小峰 正仁様による特別講義

小峰 正仁様から2018年3月に福井県鯖江市で空き家をリノベーションして「さとやまオフィス 鯖江」を開設することにより、これまで首都圏で行っていた仕事を地方で担うことで、エンジニアの働き方改革を実現する地方創生の取組み事例をご紹介いただきました。そして、「SDGs」の説明をしたうえで、学生自身がどの目標に興味があるのかを尋ね、自分たちが社会貢献としてどのように関わるかが大事であることを述べられました。

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(「SDGs」17の持続可能な開発目標)

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(目標11「住み続けられるまちづくりを」)

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(後半特別講義の様子)

学生からは、3番目の目標である「すべての人に健康と福祉を」や6番目の目標である「安全な水とトイレを世界中に」や8番目の目標である「働きがいも経済成長も」など開発途上国に対する支援だけでなく、我々先進国にも関わりのある目標への興味が示されました。

そして、小峰様から11番目の目標である「住み続けられるまちづくりを」と地方創生推進事業(COC+)および奈良高専で、どのような社会貢献ができるのかについて、1班4~5名が7つのチームに分かれ、企画を考えるように指示がなされました。

そして、それぞれの班が順に約8分の発表を行い「一毛一IT ~農村で仕事の場をつくりたい」や「奈良高専による起業支援」や「使われていない土地や空き家を企業向けに活用する」等の企画が学生から提案されました。全ての班の発表を終え、最も良かった班への投票が学生の挙手により行われました。3班と7班が決選投票を行いその結果、情報工学を使った介護支援システムと奈良高専の象徴ともいえるロボット技術を活用した介護ロボットの開発による「介護サービスの提供」を提案した7班が選ばれました。

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(グループワークの様子)
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(発表の様子)

これからは企業が社会の穴(課題)を見つけてアイデアを提案していく時代であることを小峰様は述べ、北九州工業高等専門学校に拠点を置くベンチャー企業で開発を進めている匂いセンサー付の犬型ロボット『はなちゃん』等を例に、「皆さんが自分達で仲間を集って、出来ることから取り組むことで成果につながるのではないでしょうか。首都圏ではエンジニア不足に悩む企業が多く、優秀な人材を確保する為に優秀な学生の多い地方に企業は立地を考えています。奈良県には優秀な学生が多いですので、皆さんが自分のできるところから一歩進んで活性化に取り組んでいただければ地方創生に結び付くと思います。」と、結ばれました。

最後に、この特別講義に対する質疑応答の時間が設けられ、学生から活発な質問が寄せられました。その一つに、「熊本さんなら奈良を活性化する為に、どのような取り組みをしますか?」という質問があり、熊本様から「5班の古民家の話ですが、皆さんは、奈良の活性化の為に悪い所から企画にアプローチしましたが、この悪い所は他の県でも共通している部分です。奈良の良い所、強みを活かしてアプローチしていくことが大事だと思います。活性化のためには人が集まるしくみをつくることです。奈良高専が率先して古民家をイノベーションし、そこに高専生がプラットホームをつくり、研究施設や開発環境等に活用し、また、企業を誘致する仕組み等をつくることで成果につながればと思います。」とのご回答をいただきました。

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学生は、本日の特別講義で感じたこと気づいたこと等をアンケート用紙に記入し、それぞれの振り返りとしました。

この特別講義終了後には、小峰様と熊本様、教職員による意見交換会が行われました。

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(意見交換会の様子)

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平成29年度 情報工学科特別講義(キャリアデザインセミナー)

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