奈良工業高等専門学校

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地域創生事業COC+事業(H27~R1)

平成28年度 情報工学科特別講義(キャリアセミナー) 

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≪情報工学科4年生・専攻科生(基盤システム学受講者)≫

本校では、平成28年度地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)の一環として、キャリア教育、地元企業への雇用推進に取り組んでおります。

本年度は、情報工学科4年生と専攻科生(基盤システム学受講者)を対象に、株式会社メンバーズ  取締役CFO兼常務執行役員 小峰 正仁 氏をお招きして“なりたい社会人像は?” “キャリアの成功とは?”などを幅広い視点で語って頂きます。

この特別講義を通して、職場体験活動やインターンシップ等と同様に、社会の「本物」に触れる教育を体験し、社会認識・就職意識を高めることを目的としております。

平成28年10月20日(木)から全3回に渡って実施され、各日、セミナー後に教職員との意見交換会が予定されております。

 


 

≪講義内容等≫

                 

回数 日程 講義内容等
第 1 回 10/20

―社会に出るための準備をしながら学生生活を送る―

第 2 回 11/24

-社会人の基礎力を身に付けよう-

第 3 回 12/  8

-成功する就活-

 

 

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社会技術特論(2016年10月26日掲載)

COC+ 政治・経済(2016年10月6日掲載)

『地域の課題を解決するアイデアを出そう』~本校教員による地域創生授業が実施されました~(2016年2月3日掲載)

地域創生授業が始まりました
(2016年1月25日掲載)

 


 

≪情報工学科特別講義(キャリアセミナー) 株式会社メンバーズ  取締役CFO兼常務執行役員 小峰 正仁 氏≫

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平成28年10月20日(木)、情報工学科4年生と専攻科生(基盤システム学受講者)を対象に情報工学科特別講義(第1回キャリアセミナー)が始まり、株式会社メンバーズ 小峰 正仁氏を講師にお招きして、企業の立場から貴重なお話を頂きました。

「インターンシップで学んだこと」「仕事をする目的」「目指す姿」「就職面接時の大切なこと」をテーマに、「1.楽しむ 2.積極的に参加する 3.人の意見をバカにしない」を講義の3つの心がけとして、グループディスカッションによるアクティブラーニング形式で進められ、活発な議論が行われました。

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(株式会社メンバーズ 小峰 正仁氏)

「インターンシップで学んだこと」と「仕事をする目的」では、学生の挙手による多数の発言があり、その後にグループで意見をまとめ発表しました。「仕事を通じて自分が生かされていると実感でき、幸福感を味わえる状態」が仕事をする上で重要な目的の一つであると小峰氏が体験談を交え紹介されました。インターンシップに参加しなかった学生に対しても、どのようなことが学べるかを「分からないなりに想像してみることが大事である。」と述べられました。

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(学生から協調性・積極性・能動的姿勢・責任感・コミュニケーション・スケジュール管理・自分の能力、力量・個人情報の重み・給料の重み等の意見が発表されました。)

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(学生からお金・生活・名誉・趣味・世間体・社会とのつながり・国民的義務を果たすため等の意見が発表されました。)

「目指す姿」理想の働き方については、「社会に出る前の学生時代に自分の可能性を広げて欲しい。そのためにも、学生時代の行動(ニュースや新聞を見ることにより社会に興味を持ち、色々な価値観に触れる等)が大切である。」と示されました。社会人になる前に描いたビジョンと違っていても失敗を恐れずに方向転換していくことで、すぐに答えが出なくても、偶然も味方にしてキャリアを形成していけばよいと激励されました。

「就職面接時の大切なこと」は”過去”・”未来”どちらなのかを、学生に問いかけ、グループディスカッションの後、それぞれのグループ意見を現在の学生目線や企業採用担当者・面接官の立場から発表しました。

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(“未来” グループは、「入社した後が未来だから、過去にとらわれない。」「未来にどう活かすかが大切。」等、”過去”グループは、「過去の裏付けが確実性であるから未来の可能性よりも大切。」「これからやることの根拠となる。」等の意見が出ました。)

中には、結論がまとまらないグループもありましたが、時間内にまとめるための時間管理や切り替えの重要さ、決められたことを守ると言った社会人に必要なルールを学びました。このことは、自分の意識構造を変えていくきっかけへと繋がりました。

そして、企業採用担当者・面接官が知りたいことは、過去の事実であるという結論を提示し、その根拠として、「良い習慣を持っている人は内定率が高い」と述べられました。良い習慣とは、良い経験から培われるもので、それによって成果が生まれます。そのためには、日頃が大事であり、日頃できない事は面接でもできない、企業は、今を評価するために、将来の裏付けとして過去を重視し、その再現性を求めています。その為に「学生時代に何をしてきたか?」がとても大切なことであると述べられました。

最後に、「学生時代の今、自分の未来のためにこれから行動を起こして過去の事実を創出していくことです。自分の可能性や価値観を広げるために「なりたい自分」になる行動をとることを今日から心がけてください。」と結ばれました。

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この情報工学科特別講義の主催者である本校 情報工学科 山口 智浩教授から「この講義を通じて、学生の皆さんの人生をハンドリングして行く上で、とても沢山の刺激を頂きました。」とコメントがありました。

次回、11月24日(木)のセミナーに繋がる有意義な授業となりました。

 


 

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平成28年11月24日(木)、情報工学科4年生と専攻科生(基盤システム学受講者)を対象に情報工学科特別講義(第2回キャリアセミナー)が、株式会社メンバーズ 小峰 正仁氏を講師にお招きして行われました。

前回の特別講義を踏まえて、「今、社会(企業)で求められている力」について経済産業省が提唱している「社会人基礎力」を用いて企業の立場からのお話を頂きました。

はじめに、小峰氏は「社会人の基礎力」とはなんでしょうか?と学生に質問を投げかけました。学生は、各自のノートに記入していき、積極的な挙手による発言が求められました。

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「社会人基礎力」とは、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」を「前に踏み出す力(アクション)」・「考え抜く力(シンキング)」・「チームで働く力(チームワーク)」の3つの能力で定義づけ、12の能力要素で構成されたものです。

企業や若者を取り巻く環境変化により、仕事をする上で不可欠な「基礎学力」「専門知識」に加え、それを活かすための「社会人基礎力」を意識的に育成していくことが、今まで以上に重要となってきています。日本の社会的背景には、少子・高齢化や核家族化などが挙げられ、労働力需給の面で、女性の社会進出・活躍が求められています。会社はチームで働く場所です。一人一人がそれぞれを認めて、色々な人を受け入れたうえで仕事をしていく柔軟性が必要です。そのためにも、企業は社会のルールや人との約束を守る規律性を重視します。

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(※画像をクリックすると、拡大表示されます。)

企業側からの「魅力ある学生」とは、単純に言いたいことを言うのではなく、マナーを守った上で発言を行う人です。言論の自由とマナーは違います。基礎的なマナー等の「人間性、基本的な生活習慣」は、良い経験から培われるもので、それによって成果が生まれます。「学生時代に何をしてきたか?」がとても大切です。あいさつ等日頃から無意識にできるように心がけてください。当たり前のことを当たり前にできる人に魅力ある人間性を感じます。

その後も、「人間性、基本的な生活習慣」に関する「処理力・思考力とは」・「親和力とは」・「協働力とは」・「統率力とは」などの質問が続きました。学生は、個人ワークにより自分の思いを整理し、前向きな意見を積極的に出し合いました。。

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「処理力・思考力とは」

処理力:言語的処理力と数量的処理力

思考力:論理的思考力と創造的思考力

                   

「親和力とは」

他者との豊かな関係を築く

親しみやすい・気配り・対人興味・共感、受容、多様性理解・人脈形成・信頼構築

                  

「協働力とは」

目的に向けて協力的に仕事を進める。
役割理解・連携行動・情報共有・相互支援・相談、指導・他者の動機付け

                   

「統率力とは」

場をよみ、組織を動かす。

意見に耳を傾ける・意見を主張する・建設的、創造的な討議・意見の調整、交渉、説得

                   

「対自己能力とは」

感情抑制力:気持ちの揺れを制御する力
自信創出力:前向きな考え方ややる気を維持する力
行動持続力:主体的に動き、よい行動を習慣付ける力

                

「対課題能力とは」

課題発見力

計画立案力

実践力

そして、学生は振り返りとして①~⑩の項目に、「6点満点」で各項目を自己採点しました。小峰氏は、自己評価の低い採点を付けた人に対して、「自分に厳しい人は、社会に出てからの評価が高いです。今後、改善していけばよいです。」と激励の言葉を述べられました。

さらに、「"聞く力"と"話す力"のどちらが大事だと思いますか。」と、質問されました。"話す力"と答えた学生からは、「相手に納得をさせるために大事」・「意見を伝えないと参加した意味がない」・「社会人になったら自分の言葉を伝えるのが大事」等でした。"聞く力"と答えた学生からは、「例え話せても、相手が理解できなければ伝わらない」・「相手の意見を聞いたうえで、自分の意見を伝える」等でした。山口先生からも人工知能(AI)を例に、「話したい内容を相手に伝えるには、聞く力が大事である」との回答がありました。小峰氏からは、面接時には”聞く力”が重要です。「”話す力”があっても相手の質問を理解し、それに合った話をしないと正しい評価をしてもらえません。”聞く力”があれば、話下手は治せます。」とのお答えを頂きました。

また、「対自己能力とは」・「対課題能力とは」の質問がありました。

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(株式会社メンバーズ 小峰 正仁 氏)

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(情報工学科 山口 智浩 教授)

最後に、「日本人には”ひかえめの美学”がありますが、就職活動やインターンシップ・面接時のグループワークには、積極的に参加してください。心情的には ムダと思うことも経験値となり、自信につながります。そして、否定的ではなく、建設的・前向きな意見を言うように心がけてください。失敗しても、もう一度 チャレンジすることで、失敗も成果に繋がります。このようなストレスコントロール力で、嫌なことを引きずらない鈍感力を磨き、プレッシャーを力に発揮できるように意識を変えていく訓練をしてください。こうして、なりたい自分をイメージすることで、自分の行動が日々変わります。”自分探し”という言葉 を耳にしますが、自分は探すものではなく、創るものだと思います。自分がどうあるべきか、自分なりに創ってください。」と、結ばれました。

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情報工学科特別講義(キャリアセミナー)

 


≪情報工学科特別講義(キャリアセミナー) 株式会社メンバーズ  取締役CFO兼常務執行役員 小峰 正仁 氏 /人材開発室 才野木 彩乃氏 ≫

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平成28年12月8日(木)、情報工学科4年生と専攻科生(基盤システム学受講者)を対象に情報工学科特別講義(第3回キャリアセミナー)が、株式会社メンバーズ 小峰 正仁氏と才野木 彩乃氏を講師にお招きして行われました。

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(株式会社メンバーズ 小峰 正仁氏)

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(株式会社メンバーズ 才野木 彩乃氏)

クラス全体で進路選択への意識を高めることを目的として、10月20日から全3回に渡って行われ、今回で最終日を迎えました。これまでと同様に、「1.楽しむ 2.積極的に参加する 3.人の意見を否定しない」の3つをセミナーの心がけとして、「成功する就活」・「業界説明事例・企業説明事例」について、企業の立場から貴重なお話を頂きました。

イントロダクションとして、本校 情報工学科 山口 智浩教授から、決まった答えのない問題を考える際の基礎スキルであるロジカルシンキング(論理的思考力)を養う訓練の大切さについて、「知らないこと・思い出せないことは、考えられない」ですか?などの質問を交えながら話があり、就職希望、進学希望によらず、全ての学生にこの特別講義の意図を徹底致しました。

第一部:成功する就活① (小峰 正仁氏)


はじめに、小峰 正仁氏より、今年四月に入社され、現在、人材開発室担当の才野木 彩乃氏のご紹介がありました。

次に、「会社を選ぶ基準は何ですか?」と、言う質問があり、個人ワークにより学生は思いつく限りプリントに書き出していきました。

その後、代表の学生が教壇に立ち、「会社選びの基準は何ですか?」と、人事担当者の立場から問いかけ、挙手による発表をした学生から、会社を選ぶ基準は「手取り・給料が良い」、「休みが多い」、「女性が働きやすい」や「頭打ちがない」、「やりがいがある」、「会社の業績が良い」、「業務内容」等、待遇面での意見が多数出ました。それに対して、人事担当者の立場の学生から「会社を選ぶ基準には、お金や休み等だけでなく、会社のためを思った基準選びがあればよいのでは」と、コメントがありました。

山口 智浩教授から「皆さんは、世の中の就活で書かれているような求人票項目を述べているにすぎません。会社の視点では、同じ能力で雇うのなら給料の安い、同じ給料で雇うのなら意欲的に働いてくれる人材が良いです。また、すぐに辞めないで長く勤めてくれる人材を、企業は求めています。就活や面接のために、自分に合った企業を選ぶには、お金や休みも大事ですが、条件を主張するだけでなく、まず、自分自身を知ることです。そのために、職種研究、業界研究、企業研究などもしておきましょう。」と、助言がありました。

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(教壇に立つ代表の学生との様子)

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(情報工学科 山口 智浩教授)

小峰 正仁氏から「高専生の傾向として、自分が学んできた延長線上の職種から会社を選ぶ人が多いですが、自分がこんなことに喜びを感じる、または、これまでにこんな経験をした等から自己分析をしてやりたい仕事・向いている仕事かどうかを、会社選びのポイントにしてください。」と、助言を頂きました。

そして、「就職活動で行われることを、時系列で書いてください。」と、言う質問が出されました。

小峰 正仁氏から、「企業から見る魅力的な学生とは、“ある価値観を持ち、仕事をして世の中に貢献したい”など、仕事を通じて実現・達成したいことがある学生です。企業の価値観と合うかどうかを確認して、長く務めることを望んでいます。その為に、同じ職種でも業界によって違うので、『業界MAP』等を参考にできる限り、業界研究をして自分の会社・職種希望の土台をつくるようにしてください。そして、自分が何を基準にして、その会社を選ぶのか、世間体・年収・規模・将来性・社長の考え・創業、事業理念などありますが、自分で整理して、自己分析から引き出し、自分の大事にするもの(価値観)と会社の価値観は同じにしておくことが、長く仕事を続けていくために必要です。」

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「わが社では“ミッション”・“ビジョン”・“コアバリュー(共通価値観)”を大事にしています。
(コアバリューは、メンバーズグループならびに社員のあらゆる活動の中核となる共通価値観です。"貢献"・"挑戦"・"誠実"・"仲間")
これらに共感する学生が魅力ある学生です。会社にもさまざまな基準(期待するもの)があるので、自分の基準を決めるために「世の中の今、スタンダードはどうなの」を調べて、自分が将来どのような仕事をどのような会社でおこなっていたいのかをイメージしましょう。
就職希望者だけでなく、進学希望者を含め、自分の良い部分・悪い部分をきちんとまとめておくことで、自分に合った進路選択につながります。その際に、客観的に自分を見ること、人(友達など)に見てもらうことも大事です。」

「また、ニュースを日々チェックすることで、筆記試験対策等を万全にしておく必要があります。就職活動が始まるからだけでなく、日頃から身に付けておけば次のステップが楽になります。入社までに就職年次の二年前から準備しておくのが理想的かと思います。」と、たくさんのお言葉を頂きました。

第二部:業界説明事例・企業説明事例・質疑応答 (才野木 彩乃氏)


才野木 彩乃氏から、株式会社メンバーズ様を含め、業界・企業・職種事例について、ご説明がありました。

はじめに、業界研究についての説明として、「Web業界で働くとはどういう事か、どういう仕事をするのか」のイメージをつけるためのご紹介を頂きました。

「Web業界ってどんな業界」と題して、ITとWeb業界をグラフから説明されました。IT/Web系企業を縦軸横軸で、「自社商品・サービス保有している会社」「開発・製作・プロモーションを受託で作っている会社」「ネットビジネス・サービスを主たる事業としている会社」「ネットビジネス・サービスを主たる業務としていない会社」4つに分解して、分かりやすく説明して頂きました。そして、Web業界とIT業界の特徴の違いを変化・成長・ノウハウ等の面からまとめ、Web業界は変化に強い人を望んでおり、2010年から2020年 市場規模が4.5倍(現在の自動車業界規模に達する)に大きく成長することを踏まえ、急成長に対応する人材の必要性を「枯渇するネット専門職」について図を用いて説明されました。そして、「成長期にあるWeb業界への就職に挑戦して欲しい。」と、学生に向けてメッセージを送られました。続いて、Web業界の中での“ソーシャルメディア時代をリードし顧客と共にビジネスを創造するネットビジネスパートナー”としての株式会社 メンバーズ様のご紹介が行われました。

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その後、質疑応答の時間となり、学生から多くの質問が寄せられました。さらに、休憩時間にもコミュニケーションを図るシーンが見られました。

第三部:成功する就活② (小峰 正仁氏)


第一部に続き、小峰 正仁氏から「10年後、20年後の先を考えながら自分が将来どのような仕事をおこなっているのかをイメージすることで、仕事そのものに動機付けをさせていく“キャリアビジョンの構築”が大変重要です。」

「企業は、面接の際、志望動機を重視して採用を決めていきます。会社のビジョンや理念をインプットした上で自分に合っているかどうかで会社を選ばなければ、志望動機でつまずくことになります。エントリーは早めに始め、合同企業説明会にも参加し、積極的に行動してください。色々な企業や採用担当者に会え、可能性が広がります。また、OB・OG訪問をすることで、職場の働き方等を聞いて、イメージをはかることも重要です。」と、アドバイスを頂きました。

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次に、「面接は、加点・減点どちらの方式だと思いますか。」と、言う質問が学生に投げかけられました。

減点方式だと思う学生の理由は、「企業は決められた採用枠で、沢山の応募の中から採用を決めなければならないため、振り分ける必要がある。そのため減点。」「企業には、ある一定の基準があって、会社と就活生の価値観が合致しているかどうかの基準から考えて、加点よりは減点。」

加点方式だと思う学生の理由は、「履歴書に書ききれないものをプラス思考で加点。」「加点イコール良いところを見る。減点イコール悪いところを見る。良いところを見て、それを伸ばす教育を企業はしていきたいと思うので、面接は良いところを見るために行っているので、加点。」

中には、「面接でわかることには点数では表現できないので、どちらでもない。」と、言う意見もありました。

小峰 正仁氏から、「面接は持ち点ゼロで、良いところを見つける加点方式である。」とのお答えを頂きました。そして、「減点方式だと余計なことを話さなければ高得点となるが、加点方式だと積極的に話をしなければ、プラスにならないからです。人事担当者の立場から最終面接をしてみて、はじめの3分程度で行われる自己PRで、一緒に仕事をしたいかどうかの印象が決まります。目つき、話し方等から魅力があるかどうかは、表情でわかります。話す内容も表情の中に込められています。」と、面接評価のポイントをご教示頂きました。

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「面接で大切なことは何ですか?」の質問に対して、学生は個人ワークにより、思いつく限り書き出しました。その後に、グループワークをして、意見をまとめ、ホワイトボードに書き、代表の学生たちが各々発表を行いました。

面接で、人事担当者は、“どんなところを見るのか。”“どうしてグループワークをさせるのか。”と言う視点から、

「なぜ面接は行われるのか?」を問い、学生は様々な意見を出し合いました。

小峰 正仁氏からは、「面接は、どんな特徴を持った人なのか等、学生を理解する場であり、入社したらどんな活躍が期待出来るのか等を想像する場です。企業は、その学生の活躍がイメージできるかどうか、を確認したくて色々な質問をしています。ここでも自己分析をして、取り組みや背景を相手に伝える努力が必要です。また、第一印象は大事なので、自分の持っているなるべく高いパフォーマンスを出して笑顔で伝えることを日頃から心がけてください。コミュニケーションでは質問の意図を理解して、“的確に短い言葉で伝えることができるか。” “聞く力を持って伝えることができるか” が重要です。あなたが希望する会社で仕事をするために、その会社で働くイメージが出来るかどうかは、学生時代に何をしてきたかに左右されています。内定がゴールではなく、入社して仕事で成果を出すことがゴールです。自分の未来のために、これから行動を起こして過去の事実を創出していくことが、とても大切です。」と、結ばれました。

 
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最後に、学生から多数の質問があり、それぞれにご丁寧なお答えを頂きました。

「やりたいことが分からないから就職するのか、やりたいことが分からないから進学するのか。」と言う質問に対して、才野木 彩乃氏は、「やりたいことがなくて大学に進学するのは、目的や目標がないため得るものがありません。先送りしてもいい結果は出ません。まずは、就職と言う選択を自分で決めて、環境を変えることで、人間として数倍成長できるのではないでしょうか。」と、エールを送りました。

すべての質問を通して、小峰 正仁氏から、「これからの若い人に必要な力は、自分で環境を変える力です。それは、環境を受け入れて、自分が変わっていく力でもあります。環境はあるものではなく作るものです。ネガティブな言葉は使わず、ポジティブな発想でコミュニケーションや行動を起こせば、良い方向に成長すると思います。環境を受け入れて、自分がプラスの方に変わっていくことで、環境を変える力となります。自分が頑張り、成果が出ると、自分を好きになり、さらに仕事が楽しく感じられます。」と、激励のお言葉を頂きました。

      

この全3回に渡る情報工学科特別講義(キャリアセミナー)を通して、学生は株式会社 メンバーズ様の会社紹介や小峰 正仁氏・才野木 彩乃氏を通して、社会の「本物」に触れる教育を体験し、クラス全体で進路選択への意識を高めることとなりました。

その後に行われた意見交換会では、キャリア教育の重要性を学生のみならず、教職員共々感じることができ、今後についての取り組みを含め有意義な場となりました。

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