
<奈良中央信用金庫様との対談>
2月4日(木)、奈良中央信用金庫 理事長 高田知彦様、理事・業務推進部長 中田照夫様、業務推進部 副部長・地域創生推進室 副室長 堀内厚男様 が来校され、本校 谷口校長、地域創生研究センター長 早川先生との対談が行われました。
奈良中央信用金庫様は県内の有力金融機関として地域創生事業への取り組みに注力されており、本校が奈良女子大学と協働で取り組む「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)」『共創郷育:「やまと」再構築プロジェクト』の事業協力機関として参画頂いております。今後も本校の地方創生推進事業(COC+)を後押し頂き、県内企業ニーズと本校技術ノウハウの連携に向けたコーディネートの力強いご支援のお言葉を頂きました。

( 高田理事長 ・ 谷口校長 ・ 早川先生 ・ 中田業務推進部長 )
【谷口校長】
奈良中央信用金庫様とは、これまで本校教授が審査員を務めている「ちゅうしん地域中小企業振興助成金制度」(グッドサポート)で地域経済、地域社会の活性化を目指し、共に貢献させて頂いております。今回は、地方創生推進事業で取組む「地域創生」、「雇用創出」、「地方における大学・高専の役割」について、「産」「学」「金」がどう向き合ってどう連携していくのかをお聞かせいただければと思います。
【高田様】 「地域貢献への思いは大手金融機関に負けない」
奈良中央信用金庫は、地元密着型の金融機関として県内企業との横連携に力を注いでおります。奈良県のバックアップもあり、観光誘致に力を入れ、例えば、旅行会社とタイアップした年金受給者向け年金旅行など、奈良県の産業を支える観光分野への貢献に取り組んでおります。
奈良中央信用金庫の根本理念は「地方貢献」であり、その実践を使命としており、地元が元気になり、県内の多くの企業に活力が芽生えるようなサポートに邁進して参ります。

(ちゅうしん地域中小企業振興助成金制度)
【谷口校長】 「学生へ地元企業の魅力をアピールするための情報アンテナが必要である」
奈良高専は県内唯一の工学系高等教育機関として、COC+事業の中で、その技術ノウハウを活用した地元への貢献を目指しております。
奈良中央信用金庫様がもっておられる県内企業ネットワークを活用させて頂き、課題を抱える企業ニーズを積極的に高専にご紹介頂くことで技術的側面から地元企業に対しお役に立てればと考えております。
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【高田様】 「情報系システムの技術者不足が大きな課題である」
日頃、取引先企業様から色々な相談事をお聞きする中で、特に専門的な技術面での課題などは解決のアプローチ策のご提言をしづらいケースがよくあります。
特に情報系システムの話などは信金内に詳しいエンジニアが少なく、相談に乗りづらいことも多々あり、悩みの種となっております。
そのようなケースで奈良高専をご紹介し、企業と高専との橋渡し的な役割ができればと考えております。奈良高専という力強いバックアップがあれば、我々の動きも更に活発に行えるかと期待しております。
システムエンジニアはどの企業でも重宝され人材の獲得競争は激しく、採用がなかなか進まないのが悩みとなっております。
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【谷口校長】 「世の中の変化が激しいからこそ、その変化に負けず社会に適用する人材育成が必要である」
人は好きなことにはとことん打ち込めます。学生たちには、自分がもっと興味ある得意分野に熱中でき、伸び伸びと才能を発揮できる教育を目指していきたいと思います。SE不足については、例えば、情報システム系の仕事に就職し経験を積んだ高専OB・OGがやがて奈良に戻り、県内企業への再就職の道筋ができれば、地方創生の一助となりうると考えております。
どの企業でも情報のセキュリティ対策は最重要課題の一つであり、懸命に取り組んでいます。高専でもそういったセキュリティ対策の専門技術者の育成にも力を注いでいきたいと考えております。その為に、学ぶ学生と教える教員の両面からセキュリティ教育の強化も図っていければと思います。
【高田様】 「専門性のある機関(奈良高専)に手助けをしてもらいたい」
昨年も多くの企業がネットバンキングの不正問題で悩んでおり、社会的な問題にもなっております。利用制限を設けることでリスク低減を図るとその反面取引額が減少するというジレンマもあり難しい問題です。信金内にもシステムエンジニアはいますがシステムの脆弱性を突くハッカーとのイタチゴッコというのが現状です。
【谷口校長】 「インターンシップや企業見学会などでふれあい、接点づくり・ものづくりアイディアが生まれる 」
専門的な技術力を持つエンジニアは、比較的好きなことを自由度を持たせてやらせてくれる中小企業に向いているかもしれません。インターンシップや企業見学会などを通して、学生個々の才能にあった企業を発掘し、接点をつくり採用につなげていければと思います。また、接点づくりから企業の抱えている問題を把握して授業を通じて学生に考えさせ、アイディアを出し合って解決していくことができれば、地域創生意識も高まります。地元企業のSE分野などへ高専学生が積極的に就職できれば、地元貢献につながるかと考えます。
【高田様】 「奈良中央信用金庫は、地元とのつながりが強く仕事と家族の生活空間を共有しており、そこにこそ地元で働く魅力がある」
県内には多種多様な企業がありますが、どこも求める人材や企業のPRがうまくできていないところが多いようです。県内で合同企業説明会が開催されるなど動きはありますが、具体的な仕事内容まで細かくPRしきれてないのが現状です。地元企業で働くことで楽しめることがたくさんあるはずです。
当信用金庫としても今後、積極的に企業様と奈良高専の橋渡しができるよう取り組んでいきたいと思います。
【谷口校長】 「学生が地元で働く魅力や地元とのつながりを強めていける橋渡しをお願いしたい」
地元には色々と魅力的な企業も多く、例えばインターンシップ制度を活用するなど学生たちが直接企業に触れる機会を積極的に設けていけば企業のPRも的確に若者に伝わるかと考えます。お取引のある企業様を積極的にご紹介頂き、是非そのような直接対話の機会を多く設けていければと思います。
そのためにも、今後とも貴信用金庫と奈良高専との間で密な情報・意見交換を継続していければありがたいです。今後とも強力な連携をよろしくお願い致します。
※今後の連携強化を相互確認し、和やかな中で対談を終えました。